幸せホルモンとカラダの“炎症”の意外な関係とは?

幸せな顔の後ろに悲しい顔を隠す手

こんにちは。
essence編集部です。

 

人生100年時代となった今、心の
健康を保つための秘訣として、

 

「幸せホルモン」と呼ばれる
セロトニンを脳内でしっかりと
分泌させる状態をつくれるようになる
ことを大前提に、

 

・ 脳内のセロトニンの産生に欠かせ
  ない栄養素を摂る

・ NMNの補給で、セロトニン合成を
  阻む
キヌレニン経路を抑制する

 

ということが、とても重要なポイントで
あると教えてくださった、桐村先生。

 

そこで今回は、前回の内容を踏まえて、
セロトニンの合成を最適化するための方法を

 

腸内環境の悪化やストレスを防ぐ
「炎症」の原因、そしてそれを防ぐ
ための生活習慣の改善方法に触れ
ながら、「予防」の観点から教えて
いただきました。

 

ーーーーーーー

 

著者プロフィール:
桐村里紗
医師


tenrai株式会社 代表取締役医師
臨床現場において、最新のバイオロジカル医療や常在細菌学などに基づいた予防医療、生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積んだ後、人と地球を一体のシステムと捉えた「プラネタリーヘルス」を提唱し、執筆、講演、メディア発信を行う。人の意識OSのアップデートから人の病と地球課題の根本解決を目指し、現在は鳥取県に拠点を移し社会実装を行なっている。「プラネタリーヘルス」の理論と実践の書『腸と森の「土」を育てる〜微生物が育てる人と環境』(光文社新書)が話題。

腸内環境の悪化やストレスが、炎症を引き起こす

shutterstock_1696073566前回は、心の健康に欠かせない「幸せホルモン」セロトニンを脳内でしっかりと分泌させるために、

 

・ 脳内のセロトニンの産生に欠かせない栄養素を摂る

・ NMNの補給で、セロトニン合成を阻むキヌレニン経路を抑制する

 

この2点をお伝えしました。

 

セロトニンの合成のためには、トリプトファンを含むタンパク質と同時に、鉄分やビタミンB群、ビタミンD。そして、セロトニンから睡眠ホルモン・メラトニンを作るためには、マグネシウムが欠かせません。

 

さらに、セロトニン合成を阻むキヌレニン経路を抑制するためには、「NMN」が役立ちます。ミトコンドリアの活性化や長寿遺伝子の働きもサポートするNMNは、メンタルや脳機能もサポートしてくれます。

 

今回も、前回に続いて、脳内でセロトニンをしっかりと分泌させるための方法をお伝えしてまいりましょう。

 

さて、「幸せホルモン」と言われるセロトニンですが、セロトニンの合成を阻むのが、腸内環境の悪化やストレスです。

 

腸内環境が悪化すると、毒素(LPS)を持つ腸内細菌が増加したり、腸内の炎症が全身に影響を与えたりして、セロトニンの合成を阻みます。

 

ストレスも、体の炎症を引き起こす、大きな原因の一つとなりうるのです。

 

つまり、何らかの原因で体内に炎症が起きることが、セロトニン合成を阻む原因になります。

 

これらの影響で、セロトニンの原料となるトリプトファンが、セロトニン合成の代わりに、神経毒となるキノリン酸や認知機能低下を引き起こすキヌレン酸の合成経路(キヌレニン経路)回ってしまうことを、前回の記事でもお話ししました

 

NMNを補うことによって体内でNAD+が増えることで、セロトニン合成を適正化することができます。

 

同時に、原因となる腸内環境の悪化やストレス、それによる炎症を予防することも大切になってきます。

万病の元、“炎症”を抑える方法とは?

shutterstock_742620568炎症は、万病の元と言われます。

 

炎症とは、簡潔に言うと「体内を自衛する免疫細胞が暴れている状態」のこと。

 

病原体やアレルギー物質などの外敵が侵入した際に、免疫細胞が戦うことを、炎症と呼びます。

 

このことは体にとって必要な働きではあるのですが、いわば体内で戦争が起きるようなものですから、当然、自分自身の体もダメージを受けてしまいます。

 

炎症の原因となるのが、腸内環境の悪化とストレスです。腸内環境が悪化して人にとって有害な菌が増えると、体は危機を感じて炎症を起こします。

 

ストレスは、今いる環境が体にとって「危機だ!」と感じた時に、自律神経が交感神経モードとなり「戦え!」「逃げろ!」という命令をする状況です。

 

それを受けて副腎皮質からストレスホルモン・コルチゾールが分泌されると体が戦闘モードになり、炎症が起こります。

 

それではここからは、どのように炎症を抑えたらよいのか、その具体的な方法をご紹介していきたいと思います。

 

1)腸内環境を整える

shutterstock_2102698000腸内環境を整えることは、腸の炎症を抑えることであり、さらにそれは全身の炎症を抑えることにつながります。

 

だからこそ、まずは腸内環境をしっかりと整えていきましょう。

 

そのためには腸内で有用菌を増やし、炎症を起こす腐敗菌を減らすための食生活を心がけることが大切です。

 

それではどんな食事がよいのでしょうか?早速、具体的に見ていきましょう。

 

腸内環境を悪化させる食事

 

控えるべきは、高糖質高脂質高動物性タンパク質、低食物繊維の食べ物です。

 

これらの多くは、現代人が好きな欧米型の食生活に含まれているものですが、こうした食生活を続けていると腸内環境は悪化してしまいます。

 

また、砂糖や糖質は、腸内のカビ・カンジダ菌を増やすモトになります。カンジダ菌が増えると、有用菌が暮らしにくい環境になるのです。

 

高脂肪な動物性タンパク質は、腸内の腐敗菌が喜ぶエサになります。

 

腸内環境悪化の指標は、便のニオイ。もし便のニオイが強いと感じるのであれば、腸内でタンパク質の腐敗が起こり、毒ガスである硫化水素やアンモニアが分泌されている証拠。

 

またこの場合、便の色は、濃いコゲ茶色になります。

 

便の状態がもし、このようなニオイと色であれば、腸で炎症が起きている可能性が大きいと考えられます。

 

腸内環境を整える食事

 

逆に、腸内の有用菌が好きなエサは、食物繊維やオリゴ糖です。

 

これらを、プレバイオティクスと言います。昔ながらの日本の伝統的な健康食である、「ま・ご・わ・や・さ・し・い・(こ)」(※食品群は以下を参照)をぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

  • ま:豆類
  • ご:ごまなど種子類・ナッツ類
  • わ:わかめなど海藻類
  • や:野菜
  • さ:魚(EPA/DHA:炎症を抑える脂肪酸)
  • し:椎茸などキノコ類
  • い:芋類
  • こ:穀類(未精製の雑穀や分付き米)

 

このような食生活を実践していく上でのポイントは、食物繊維が豊富で、炎症を抑えるEPA/DHAを含む脂肪酸を含む天然の魚を主菜にする、ということです。

 

「ま・ご・わ・や・さ・し・い・(こ)」の食事に象徴されるように、日本人が昔から伝統的に食べてきた食事は、まさに腸内環境改善食の理想形です。

 

もちろん、洋風にアレンジしても良いですが、食材は伝統食を参考にしてみましょう。

 

有用菌で発酵した発酵食品も、腸内細菌をサポートするプロバイオティクス食品です。伝統的な発酵食品である味噌や納豆、漬物などを食卓に取り入れてみてください。

 

腸内細菌が喜ぶのは、プレバイオティクスとプロバイオティクスを合わせる、シンバイオティクス食品を日常に取り入れることを意識してみるのが良いでしょう。

 

朝食に、パンとベーコンエッグ、また牛乳の代わりに味噌汁と納豆ご飯にすることで、立派なシンバイオティクス食品になりますよ。

 

2)ストレスをリリースする

shutterstock_1916766842炎症の大きな原因となるのが、日常のストレスです。

 

このご時世、生活をするだけでもストレスフルですが、日常から適切にストレスリリースをすることは、自分の身を守る上でも重要です。

 

どんなに食生活を良くしても、ストレスがかかると腸内環境も乱れてしまうからです。

 

ストレスがかかると自律神経が交感神経モードになり、これが炎症の原因になります。自律神経が緊張するのは、その環境が「危険!」と感じているからです。

 

ストレスの原因から離れ、環境を整える

 

まず、離れることができるのであれば、思い切ってストレスの原因から離れましょう。

 

特にストレスになりやすいのが、人間関係です。

 

大人になると、苦手な人とも付き合わざるを得なくなりますが、仕事上絶対に合わなければならないなどの理由がなければ、自分にとってストレスとなる人間関係から離れるという方法も、一つの自衛になります。

 

また、この他にも、自分が絶対的な安心感を得られる逃げ場をつくることも、大切な心を守り、少しでも穏やかな気持ちを保つ上でも大事なことになります。

 

自宅を整えて、好きなインテリアを飾り、好きなアロマを焚いて、自分がリラックスできる空間を整えましょう。

 

特に、寝室は重要です。睡眠の質を高める上でも、目の刺激となり情報過多になるスマホやパソコンも寝室には持ち込まない方が無難。

 

できれば、夜はダウンライトにして、スマホやパソコンから離れる方がベターでしょう。

 

また、家の中で耳を澄ますと、冷蔵庫やエアコンの室外機などのヴーンという低い音が聞こえてきませんか?

 

これはファンモーターによる低周波音ですが、小さくても無意識のレベルでのストレスになります。特に音に敏感な人は、不眠の原因にもなりかねません。

 

寝室はできる限り、低周波音が聞こえない静かな空間にすることが大切です。

 

呼吸を意識的にゆっくりと

 

自律神経を自分の意思でコントロールしようと思えば、呼吸からのアプローチしかありません。

 

緊張すると呼吸は早く浅くなりますが、これを意識して、なるべく深くゆっくりにすることを心がけてみてください。

 

呼吸の回数がゆっくり、少なくなればなるほど、意識は表層から深層へと向かいます。

 

意識が深層に向かえば、現実世界のさまざまな囚われから離れ、物事を俯瞰して見ることができるようになります。

 

そのような呼吸をする際には、ぜひ以下を参考にしてみてください。

 

「呼気:吸気」=2:1 のバランスを意識してみることです。
(※呼気とは吐く息、吸気とは吸う息のこと)

 

まずは体中の息をしっかりと深く長く吐ききってから、空っぽになった体に空気を吸い込みましょう。

 

吐くときは、吸い込んだ時の倍のスピードで、ゆっくりと。たとえば、10秒で吐いて、5秒で吸って。

 

これを5分程度繰り返せば、自然に自律神経は落ち着き、緊張していた身体がリラックスしてくることが感じられるようになるでしょう。

 

身体がリラックスすると、凝り固まった思考や感情も自然と解けていきます。

 

呼吸に集中するということは、過去や未来ではなく、今ここ「中今」に自分を取り戻し、乱れていたバランスを整えることにも繋がります。

 

今回ご紹介したような、ちょっとした食事の工夫や呼吸法は、誰にでもできるとても身近な方法です。

 

そんな、ちょっとした習慣が大きな心の変化をもたらすことに繋がるので、ぜひ日々意識して生活に取り入れてみてください。

 

――――

 

いかがでしたでしょうか。

 

「幸せホルモン」と呼ばれる
セロトニンの合成を阻むのが腸内環境の
悪化やストレス、そしてそれによって
引き起こされる炎症だということを
知り、

 

仕事や人間関係、さらに様々な
社会不安が渦巻く今の世の中において、
できる限りストレスの原因となる
ものから離れるように意識して生活する
ことが大事なことだと改めて
実感しました。

 

ただ、その改善策は決して難しいこと
ではなく、腸内環境を整える食生活を
選ぶことはもちろん、睡眠環境を
整えたり、呼吸を整えるなど、日常の
ちょっとした心がけ次第でできることも
多いので、

 

「これなら、自分もできる」と思い、
ホッとしました^^

 

現代社会は一見様々なことが複雑に絡み
合っているように見えますが、
どんな時も大切にしたいのは、

 

基本に立ち返ること、
そして「本質」を見極めて実践していく
ことです。

 

心と体は相互で作用しており、二つは
一つで繋がっているからこそ、両面で
自分の大切なものを守っていけるよう、
今日から一つでもいいので、

 

「これなら自分もできそう!」

 

と思えることを実践していきましょう。

 

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