“中今に生きる”は役に立つ。日常生活の中での生かし方

時計と働いている女性

こんにちは。
essence編集部です。

 

ここ2年ほどの社会の変化の影響も
あって、自分を見つめ直す機会を得た方
も多いのではないでしょうか。

 

日々何気なく続けていること、慣れ親し
んだ習慣を少しずつ見直していくことか
ら、自分の生き方や環境を根本から変え
ようとされている方まで、その変化や
変容の度合いは様々だと思います。

 

また、そうした中で、これまでは決して
見えなかった大事な気づきを得て、人生
のステージがまるで変わってしまった人
もいらっしゃるかもしれません。

 

そんな社会情勢の変化を目の当たり
にし、ご自身もまた様々な変化を
経験されてきた内海さんが、今回は
「中今」をテーマに、記事を執筆して
くださいました。

 

社会は今、急速に変わり続けており、今
もなお刻々と変化していますが、そうし
た外側の世界の変化に振り回されること
なく、本当の自分を生きるためには、い
ったいどうすればよいのでしょうか。

 

外の世界の変化が大きい今だからこそ、
ぜひとも身につけておきたい和の叡智と
生きる上での大切な極意。

 

たくさんの重要なヒントが詰まった本文
を、ぜひ最後までお楽しみください。

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著者:
内海昭徳


株式会社ロンズデーライト代表取締役
人財育成・組織変容コンサルタント/ 研修講師 / 著述家
neten株式会社客員研究員 / tenrai Inc.取締役副社長兼CLO(Chief Learning Officer)

筑波大学で国際関係学、京都大学大学院で政治哲学・社会経済学を専攻。9/11テロを機に、世界の根本的なパラダイムシフトの必要性を感じ、大学院を中退。
人間の意識変容の本質探求を深める中で、メタ認識次元の叡智を掴み、科学と悟りの知恵を融合した人間開発と社会変革に長年取り組む。
2018年サンフランシスコで開催されたwisdom2.0に日本人初のエントリースピーカーとして登壇。シリコンバレーを中心に、AIやDXなどテクノロジーの進歩と並走できる人間の意識変容の社会実装ニーズが高まる潮流を実感し、独立。
日経主催の企業エキシビションへの参画なども通して、人的資本経営への悟りの智慧の実装を提唱しつつ、個人・法人向けのコンサルティングや組織研修、各種セミナー、出版サポート、リトリート、ワークショップなど様々に取り組んでいる。

著書:『ビヨンド・ティール』『経営者のための悟りリテラシー講座』『タナトスの寂滅』『タオ・リズム(共著:福田純子氏)』ほか

 

ここ2年ほどの社会の大きな変化の影響もあって、自分の人生を見つめ直す機会を与えられたことで、改めて「日本の心(精神)とは何か」、「文化のルーツはどこにあるのだろうか」ということについて、考える人が増えてきたと聞きます。

 

世の中が不安定になったことなども関係するのかもしれませんが、私の身の回りでも、神社に参拝したり、古神道や言霊を学んだりするなど、日本古来の本質的な知恵に生きる軸を合わせていく方が増えた感じがします。

 

その中で、古神道の大切な教え「中今」という言葉に出会った方もいらっしゃるかもしれません。

 

「中今」と似た概念でいうと、「今・ここ」を生きることの大切さというのも、よく耳にするようになりました。

これは先のパンデミックの影響だけでなく、アメリカ・シリコンバレーが火付け役となったマインドフルネスや瞑想などからの思想的な流れもあるのかもしれません。

 

そして「今ここに生きる」高い集中状態を保つことは、個人の生き方や心の学びということだけでなく、仕事でパフォーマンスを高める上でも有効であるため、その実用性の高さから、現実的なビジネスシーンにおいても大切であるとされています。

 

とはいえ、一般的に言われる「今・ここ」と「中今」とは、実は似て非なるもの。

 

なかなか奥が深く本質的な概念なので、言葉だけではなかなか掴みにくいこともあると思いますが、今回は日本古来の精神的叡智である「中今」について、その意味と生きる上でのメリットを、なるべくわかりやすくご紹介したいと思います。

「中今」を生きられるようになると、不安や恐れから離れることができる

shutterstock_1097947538そもそも「中今」とは一言で何かということについて、「過去・現在・未来が折り畳まれている状態」と言われることがあると思います。

 

しかしそうは言われても、「そうか、なるほど!スッキリわかった、腑に落ちた!」となるかというと、なかなかそう簡単にはいかないのが実際のところではないでしょうか。

 

それも当然の話で、普段私たちは、過去から現在、そして未来へと流れる「時間の矢」の上に生きている、という時間認識を持っているからです。

そのため、「過去・現在・未来が折り畳まれている状態」ってどんな感じなの?と、よく分からない、モヤッとした感じになってしまうのです。

 

ひとまずそれは仕方がないとして、ここでもう一つ大事なヒントをお伝えしたいと思います。

 

「過去・現在・未来が折り畳まれている状態」を別の角度から見るならば、「中今」は、時間の矢の次元を超えたところにある世界、とも言えるということです。

 

それは、時間がない世界であり時間が畳み込まれた世界でもあります。さらには、時間さえも生み出す世界、とも言えるもの。

全ての創造の源と繋がり、自らが渦を巻き起こしていくための最小単位の世界を掴むことができる

 

ちなみに、理解の上で、「中今」と「今・ここ」の違いを明確にするためにシンプルに整理しておきましょう。

一般的に「今・ここ」と言われるときには、この現実の時間認識があった上で、過去や未来ではなく、「今・ここ」に集中する、というイメージになります。

 

ですから大前提として、過去も未来もある、という時間認識があった上で、「今・ここ」というふうに位置付けられているのですね。

 

ですが「中今」は、時間を超えた概念なので、時間軸がない、過去も未来も実在しない、ということになるのです。

 

ちょっと専門的でややこしい概念の話にはなりますが、深く探求する方には大切なところなので、ひとまず、ここの違いはしっかり押さえておきたいところです。

やや踏み込んだお話になりますので、今の段階ではざっくりとイメージしていただく形でOKです。

 

さて、それはさておき、「中今」を掴む、あるいはそこまではっきりと分からないとしても、「中今」を意識することで、どんな良いことがあるのか、その辺のことをいくつか考えてみましょう。

「中今」に生きることで起こる、内なる静けさと無限の豊かさ

shutterstock_1064525450ここで「中今」にも通じるものとして「今・ここ」を生きる、ということを考えてみても、その実用的なメリットはたくさんあります。

 

繰り返しになりますが、シリコンバレーを起点に日本でもすっかり浸透したマインドフルネス瞑想はその代表例で、ストレス低減や集中力の向上、気づきやアイディアが湧いてくるなどのメリットがあると言われており、それは多くの人が知るところです。

 

また、意識をスローダウンして、今すでに与えられている多くのことを繊細に感じとり、感謝することによって、静かに深く心が満たされてゆく感覚を覚える方も多いでしょう。

 

思考のノイズが静まって「良い・悪い」と判断せず、いま起こっていることを「ありのまま」に受け止めるというあり方が整えば、生き方にも、人との接し方や仕事のパフォーマンスにも、良い影響がたくさん生まれてきます。

 

たとえば今は、世界的にも社会情勢が不安定で、いつ何が起こるかわからない状況であるため、心が未来への不安でいっぱいになっている方も多いかもしれません。

 

しかし、そもそも不安が心に起こってくるのはなぜかということを掘り下げて考えてみると、そこには、まだ起こっていない未来に対して、悲観的なイメージや予測が広がっている、という認識があります。

 

『心配事の9割は起こらない』という本も話題になりましたが、9割はないにしても、総じて人は起こってもない未来を想像して(妄想して)、不安に駆られてしまう傾向があるのです。

 

もっとも、未来を予測して不安を感じることは生存していく上で重要で、進化の過程で人が生存のために身につけたものといわれていますので、無くなったら無くなったで、困るものでもあるんですね。

 

しかし、未来への不安ばかりで今取り組んでいることに集中できなかったり、物事の悪い面にばかり意識が向くようになったとしたら、それは危険信号。

 

そんな時は、まずはゆっくり深呼吸をして、目の前のできることから、たとえばヨガや瞑想などに気軽に取り組むなどして、「今・ここ」に戻ることを意識できる環境をつくることから始めてみてください。

今に集中することで自己肯定感が高まり、自己愛に目覚める 

shutterstock_1772867801必要以上に不安にとらわれなくなってくると、今目の前のことに集中できるようになるため、余計なノイズに振り回されなくなってきます。

 

すると、実践・実行できることも自ずと増えていき、結果、1日のうちにできることや達成できることも増えていきます。

その結果、自己肯定感も高まり、自分を好きになれるなど、次第に自己成長の好循環が生まれていくのです。

 

また、これを実践していくうちに軸やブレない芯のようなものができてくるので、まわりの状況によって自分が振り回されることがなくなっていくという効果も期待できるでしょう。

 

今はたくさんのニュースが溢れて、何を選べば良いかわからなくなってしまっている人も多く見受けられます。

 

そして自分軸がしっかりできてくると、自然と自分にとって必要な情報が俯瞰的に見えてくるようにもなります。

その意味では、直感を超えた世界、「直知」の領域がはたらくようになる、と言ってもいいかもしれません。

たくさんの良い「結び」が起こって物事が現実化する

shutterstock_231163618最後に改めて、「中今」の本質について触れてみましょう。

 

たいへん奥の深い世界ですので、少しでもイメージしていただきやすいように、「中今はどのような状態なのか?」ということをまた別の言葉に置き換えて、お伝えしてみたいと思います。

 

中今とはいわば、「究極に(最高に)整った状態です。

 

仏教では、その生涯において「悟り」の境地に至ることを最終的な到達地点としていますが、「中今」は、まさにそこに重なり合うものです。

 

禅には「前後際断」という言葉がありますが、前際(過去)も後際(未来)も断ち切られた別次元に入るとき、時間軸を超えた空の境地が開ける、といわれています。

 

その悟りの境地とは、無でありゼロの状態。

とはいえそこは同時に、何もないゼロではなく無尽無限の創造の可能性にあふれた状態です。

 

そのため、中今を生きることができるようになると、些細な現象に振り回されず、ゼロの心を持った穏やかな状態、大安心の整った状態を体感することができるようになります。

 

さらに、ゼロポイントから様々な結びが起こるため、自らの意志で新しいものごとを主体的に創造できるようになります。

 

もっと言うならば、中今で起こる現実創造というのは、いわゆる「引き寄せ」とは異なるもの。

 

自分が絶対にこうしたい!という、ある種のエゴから出た利己的な心から未来をイメージしたり、叶えること自体に執着がない状態であるため、現象の世界に左右されず、平安な心の状態を保つことができるのです。

 

引き寄せよりもずっと自由かつ自在な状態なので、途中で苦しくなってしまう、ということがないのですね。

さらに「中今」の状態を掴むと、以前ご紹介させていただいた直感を超えた「直知」の世界を掴むことができるので、受け取った情報(あるいはインスピレーション)に対して信頼できるため、「この流れに従って大丈夫」という確信度が増し、行動に移しやすくなります。

 

この辺りは、とても深い世界になりますので、またの機会を設けて詳しくご紹介できたらと思います。

 

まずは今回ご紹介させていただいたポイントを念頭に置いていただき、「中今を生きる」という意識を深めながら、諦めずに自己探求を続けてみてください。日々、素晴らしい変容の種がきっとたくさん生まれていくことと思います。

 

――――

 

いかがでしたでしょうか。

 

「中今」は確かにとても深いが概念であ
るため、最初は難しく感じられる方も多
いでしょう。

 

私たちが生きている世界は時間があるの
が当たり前。

 

過去→現在→未来

 

というふうに、時間は過去から現在、
そして未来に向かって線形に流れていく
ようなイメージがあるからです。

 

しかしそれはひょっとしたら私たちの
勝手な思い込み、認知バイアスによって
生み出された幻想に過ぎないのかも
しれません。

 

またまた難しい話になってしまいました。

 

詳しいお話は、また別の機会に。もしく
は会員サイトでご紹介することにしま
しょう。

 

ともあれ、内海さんもおっしゃる
ように、中今を生きられるようになると
心穏やかで外側の世界にも簡単には
動じない、素晴らしい境地を生きること
ができるようになります。

 

もちろん自分にとって、最適なものごと
を引き寄せることができるようにも!

 

今日はただただ、そんな世界や心のあり
方があることをイメージしていただけた
ら嬉しく思います。

 

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