情報過多の時代に必要な、デジタルデトックス
今の世の中は、情報がとても多い時代です。
一説によると、「現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の一年分だった」とまで言われています。
さらに情報量が多いだけでなく、その伝達のスピードも更新速度の処理能力も上がっており、こうした情報洪水の潮流は、とどまるところを知りません。そのため必然的に、受け取る情報量もますます加速しそうな流れにあります。
またそれとともに、世の中には多種多様なコンテンツが溢れています。
専門的な大手のメディアはもちろん、各種SNSなどから発信される情報量はまさに膨大な量。それに加えて、スマホなどで一度情報をチェックすると検索ワードや属性などアルゴリズムに沿ったニュースが自動的に流れてくるので、自分の意思で能動的にニュースを探しにいかなくても関心ごとが表示されるため、頭や心が刺激されやすい状況になりがちです。
それゆえに放っておくと、ポップアップされた情報を絶えずチェックしている。そんな罠にうっかりハマってしまうかもしれません。
そうした状況を考えると、私たちは情報を受け取ること、そしてそれを見たりチェックしたりすることで、いつの間にか相当な情報量が意識空間に溢れている、つまり圧倒的なインプット過多の状態になっていると言えるでしょう。
「インプット」と「アウトプット」の黄金バランス
しかしインプットばかりだと、何事につけてもやはりバランスが崩れてしまうもの。
情報がインプット過多の場合は、判断材料となる情報が多い分、決断力が鈍ったりすることもあるかもしれません。あるいは知っていることが増えた気分になるので、どうしても頭でっかちになって、新しい知識を得ることだけに満足してしまったり、時に批評家のようになってしまいがちに.....。
フェイクとファクトが混同した情報の中で、何を選べば良いかわからずに、迷子になってしまうこともあると思います。
さらに、無意識的に自分の価値観に沿った同じような視点の情報ばかりでインプット過多になると、結果として自分でも気づかぬうちに「認知バイアス」がかかって、情報をそのまま鵜呑みにしてしまう、といったことも起こります。
そうなると「自分の頭で考える」ことをしなくなるため、思考体力が落ちてしまう。そんな負の側面も考えられます。
だからこそ、思い当たる節のある方は、インプットしたらその分アウトプットする、という情報の循環構造を心がけてみることをオススメしたいのです。
ではどれくらいの比率が良いのでしょうか?
イメージとしては50:50のバランスが理想でしょう。最初から完璧にはいきませんが、トレーニング次第で徐々にこのゴールデンバランスに辿りつけるようになります。
情報過多の今の時代、アウトプットは最高のデトックスになります。いわば、体のデトックスではなく、脳や意識空間に蓄積されすぎた「情報デトックス」(デジタルデトックスとも言われていますが)ということになりますね。
ちなみにデトックスは英語の「detoxification」の略ですので、まさしく有害な毒物の排出、解毒、というのが元々の意味になります。
以前、食に関するデトックスの記事でも、腸内を薪ストーブにたとえるお話が紹介されていましたね。食べ物を多く摂取しすぎると本来の機能もうまく働かないように、情報も過剰に取り入れるとバランスが取れなくなって、苦しくなってしまう...。そんな様子がイメージできるのではないでしょうか。
だからこそ自分で意志を立てて「情報デトックス」に取り組んでみることは、脳や心の健康を考える上で、大事な要素だと思います。さらにあらゆるパフォーマンスも向上するのでおすすめです。
アウトプットは書く、話す、だけではない!?
さて、情報のアウトプットというと、書いたり人に話したりする行為を思い浮かべる方も多いと思います。しかし情報アウトプットは、書く、話すはもちろんのこと、そこに至るまでの「考えるプロセス」も含めての全体像、と捉えてみて下さい。
例えば、ネット上で何かの情報を目にした時、一旦受け取ったその情報は、自分にとってどういう意味があるのかを考えてみる。あるいは、発信されている情報の背景や意図を考えてみたり、別の角度からの意味や価値づけへと、視点を移動させてみるのも効果的です。
専門家が言ったからといって丸ごと鵜呑みにするのではなく、「なぜそう言えるんだろう?」「本当にそうだろうか?」と一度立ち止まって考えるクセをつけてみる。少し手間のかかることかもしれませんが、情報とうまく付き合う上でとても大事なことだと思います。
なぜならそうすることで、自分なりの考え、意見が主体的にアウトプットできる習慣が身につくからです。
ひと昔前の教育や仕事の現場では、多くの人はこれまで「正解」を求め、また求められてきました。しかし情報が多様に錯綜し、時代状況の変化も速く不安定な現代においては特に、「正解」を求める姿勢では不十分なことは、多くの分野で言われていることでもあります。
となると、各々が自分の頭で考えるということを習慣化することが、ますます重要になってきますね。
与えられた情報をただ受け身の態度で信じるのではなく、一旦自分のフィルターを通して多角的に考えてみることが大切です。そういう意味では前回の記事、「でも」の扱い方なども役に立つと思いますので、ぜひ参考になさってみてください。
アウトプットは自然の理。「吐く息」にも通じる
では、なぜアウトプットが大事なのか?ということについて、最後に少し、古神道の視点から考えてみたいと思います。
古神道では、ゼロ、空っぽの状態から創造が始まると言われています。
空っぽのゼロの状態から意志や言霊を放つことで、新たなものごとを生み出すことができる、ということが真理だとしたら、余計なもので頭がいっぱいになっていたら、創造の力である言霊の力をうまく使うことができません。
たくさん情報をインプットし続けることは、呼吸に例えて言うなら、息を吸って空気をひたすらインプットし続けてばかりいるようなものです。試しに、次のような呼吸をずっとし続けてみることをイメージしてみて下さい。
「吸って、吸って、吸って、吸って、吸って、吸って、吸って、吸って、吸って、吸って…。」
いかがでしょうか。
体が酸素でいっぱいになったとしても、吸った息を吐く=アウトプットがないと、どんどん苦しくなっていきますよね。
これはまさに情報においても同じで、インプットをし続けて何かの知識でいっぱいになり、それらで何か新しい創造をしようとしても、本当に優れた創造やまわりをハッとさせるようなクリエイティビティを発揮するのはなかなか難しいもの。
なぜなら本当の創造においては、知識などの情報を足し算的に増やしていくこと以上に、ふとした刹那、空っぽのゼロの心の器に入ってくるインスピレーションを受け取れることの方がむしろ重要な鍵を握っているからです。
そのためにもぜひ今日からでも、「情報デトックス」を自覚的に取り入れてみてください。クリアな状態を保ちながら、いつでも良いインスピレーションやより質の良い情報をキャッチできるように、インプットとアウトプットのバランスを意識しながら過ごしてみてくださいね。
それらが習慣化されていくことは、日々の生活や仕事、果ては人生全般の質を高める上でも、きっと大きな効能を発揮してくれることと思います。
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いかがでしたでしょうか。
常にスマホを持ち歩き、
PCで仕事をする今の時代。
私たちは24時間365日、
常時ITに接続された状態になっている
と言っても過言ではありません。
でも、だからこそ、普段から意識して
アウトプットする癖をつけることが
大事になってくるのです。
デジタルデトックスというと、
スマホやネットを完全に断つなど
IT断食のような極端なイメージをされて
しまう方も中にはいらっしゃるかもしれま
せん。
しかし今は、放っておいても情報は入って
きてしまうという事実も否めません。
だからこそ、「入ってきたら出す」という
ことを小さなことから心がけてみはいかが
でしょうか。
その他にも、
週末はできるだけITから離れる
大自然に触れて、デジタルの世界を忘れる
瞑想や深呼吸をして、ゆったりとした時間
をもつなど、できることは意外とたくさん
あります。
ぜひピンとくるところから、
早速行動を始めていきましょう!
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