「早い・安い・便利」に警鐘! スローフードに学ぶ、食の本質

収穫された野菜

こんにちは。
essence編集部です。

 

早くて便利なもの、
効率的で、少しでもスピードが出て
時間短縮ができる機器 etc…

 

現代社会を象徴する
これらのイメージは

 

何も日々の生活や仕事に限った話
ではなく、
私たちにとって大切な食生活や
ライフスタイル全体にまで
すっかりその影響が及んでいます。

 

しかしその一方で、

 

「手間ひまかけてつくられるもの」
「心を込めて丁寧に生産されるもの」

 

など、
現代社会が効率重視、スピード偏重の
中で置き忘れてきたことを今新たに
取り戻そうとする動きもあります。

 

今日は、それらの活動の中でも
重要なひとつ、
「スローフード」をテーマに
桐村先生が食の本質について
教えてくださいました。

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著者プロフィール:
桐村里紗

医師
tenrai株式会社 代表取締役医師
臨床現場において、最新のバイオロジカル医療や常在細菌学などに基づいた予防医療、生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積んだ後、人と地球を一体のシステムと捉えた「プラネタリーヘルス」を提唱し、執筆、講演、メディア発信を行う。人の意識OSのアップデートから人の病と地球課題の根本解決を目指し、現在は鳥取県に拠点を移し社会実装を行なっている。

「プラネタリーヘルス」の理論と実践の書『腸と森の「土」を育てる〜微生物が育てる人と環境』(光文社新書)が話題。

先日、日本スローフード協会が主催する「We feed the planet 2022」という食を通して未来を考えるイベントに、腸と発酵、プラネタリーヘルスという視点から登壇してきました。

 

「スローフード」という言葉は、聞いたことがあっても具体的にはイメージできない、という方が多いかも知れません。これは1980年代に、「ファストフード」の代表であるマクドナルドの出店に対する抗議運動として、イタリアのローマで起こった運動です。

 

早さ・安さ・手軽さ、といった利便性の代わりに工業化され、精製されることで、食材が元々持っている全体性や豊かさが失われてしまった食。そして、土と離れてしまった食事「ファストフード」の代わりに、食べることの本質をじっくりと見直して、自分の生活や生き方、そして社会システムをより良いものにしていこうというムーブメントです。

 

こうしたスローフード活動はイタリアで始まり、現在では160カ国以上に広がっています。

自分と地球を不健康にする、現代の食事

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今、皆さんは1回の食事をどれだけ大切にできているでしょうか?

 

食事をいただく時、目の前にある食を一つひとつ味わうことなく、スマホやパソコンを触りながら無意識にかき込んではいないでしょうか?

 

あるいは、料理の代わりに袋に入ったパンやコンビニのおにぎり、インスタント食品、ファストフードなど、工場で作られた加工食品に頼ることが日常化していないでしょうか?

 

土に根ざしたものを食べているでしょうか?
食事によって季節を感じることはあるでしょうか?
ただ空腹や欲望を満たすために食べていないでしょうか?
生産者や生産地を知らずに、途上国で生産者を搾取して土地を破壊する食べ物を選んでいないでしょうか?

 

こうした食事は、私たちの健康を害する上に、地球の土、そして環境を破壊します。
人と地球を不健康にするプラネタリーヘルスとは、真逆の食事です。

何を食べたらいいか迷った時は、一汁一菜の和食へ

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これに対してスローフードは、食べる人、生産者、そして地球の全てを大切にする、食に対する姿勢です。

 

・土に根ざし、土を大切にする生産方法

・季節の土地のもの、地元の生産者の応援

・伝統の発酵食や伝統の料理

・地産地消の食べ物

・精製度の高い加工食品の代わりに精製度の低いもの、ホールフード

・そして家族や友人と囲む楽しい食卓

 

こうしたスローフードスタイルの食事は、まさにプラネタリーヘルスフードの代表格と言えます。

 

別に難しいことではありません。

 

基本は「一汁一菜」、ごはんとお味噌汁にお肉や魚などのメインを一品、野菜や海藻類などの副菜を二品で構成される食で、日本人にとっては十分なのです。

発酵食は微生物の錬金術

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一汁一菜の食を続ける上で、大切なこと。
それはいかに美味しく、楽しく続けられるか、ということです。
そこでぜひ取り入れたいのが、地元でとれた季節の野菜をゴロゴロ入れた具沢山の味噌汁。

 

味噌は伝統的な発酵食品なので腸にもよい上に、大地のエネルギーをたっぷり吸収した栄養価の高い具沢山の味噌汁は、最高のご馳走です。
また、これに納豆や漬物やなどの発酵食品を加えても良いですね。

 

発酵食品は、微生物の錬金術によって、元の食材以上に多様な栄養素を人がより吸収しやすい形にして増やしてくれます。

 

またご飯は、精製された白米よりも分づき米や雑穀米といった未精製の穀物の方が、穀物の持つ全体性を残したホールフードになります。そのため、ホールフード(全体食)は、植物に含まれる多様な栄養素が重なり合うことで人の健康に貢献してくれるのです。

 

例えば、1個の果物に含まれるビタミンCが100mgに満たなかったとしても、ビタミンCのサプリメント1500mg分の抗酸化作用をもちます。果物にはビタミンC以外にも、ポリフェノール類などのたくさんの成分が含まれているので、それら全体で相加相乗効果が期待できるからです。

 

つまり、ホールフードの観点から言えば、食べ物を丸ごといただくことで土からのエネルギーを体に取り込み、必要な栄養素をしっかり吸収できることになります。

 

残留農薬が心配ない野菜であれば、根っこや葉っぱも全部使ってしまいましょう。

「食べる」に折り畳まれている多様な意味 

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食べることは、私たちの命の源であると同時に、歴史文化を築いてきました。
色々な地域の伝統や叡智、そしてそれらを味わう喜び、同じ釜の飯を食うことで結ばれる人と人の繋がりなど「食べる」には多様な意味が折り重なっています。

 

さらに、食を楽しむだけでなく、その料理に紐づく見えない繋がりを想像してみて下さい。

 

前回、「食べる」ことで、私たちは、「生命の網(WEB OF LIFE)」と呼ばれる地球全体のネットワークと繋がることをお伝えしました。

 

地球の土と腸の土は、食べることを通じて繋がっています。土に根ざした生き方から遠ざかっている現代ですが、毎日の食を通じて、土に降り、その土を豊かにすることができます。

 

スローフードは、地球の土も腸の土も両方豊かにすることができます。
難しいことではなく、みんなが笑顔になる食事ですね!

 

――――

 

いかがでしたでしょうか。

 

私たちの身の回りには
生産者の顔が見えない野菜や果物、
旬ではない食べ物の他、

 

インスタント食品や加工品など
添加物などが多く溢れています。

 

しかし、こうした食を口にする時、
私たちは心から満たされたり、
本当に美味しい、また味わいたいと
思えているでしょうか?

 

加工食品は「頭や脳で味わう食」
と言われることがありますが、
もしこうした便利な食が
繰り返し欲しくなるとしたら…

 

本当の心からの満足ではなく、
ひょっとしたら脳が刺激反応を
起こして、美味しいと勘違いしている
だけなのかもしれません。

 

心が満たされ、五臓六腑の奥まで
深く沁みわたる食とは、

 

土に根ざした食であり、
一つひとつを大切に味わうことのできる
スローフードなのです。

 

私たちの体と心、
そして地球にとってよい食事を選ぶ
習慣を大切にしていくことで、
忘れかけていた「本物の美味しさ」を
思い出せるようになるでしょう。

 

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