皮膚のセンサー“圧覚”を活用して、体を客観視する方法とは?

こんにちは。
essence編集部です。

前回の記事で、

「脳内には現在の姿勢が
プログラミングされている」

ということについて教えてくださった
金子香織さん。

 

記事をご覧になった方の中には、

脳の状態が姿勢とも関係していた!

という事実に気づいて、衝撃を受けた方も
いらっしゃるかもしれません。

 

しかし、心配はいりません。

 

姿勢と連動する脳内マップを書き換えて
いくためのヒントは、日常生活の小さな
ところに転がっているからです。

 

今回はそんな改善に向けて私たちができる
ことのファーストステップとして、
「圧覚」と呼ばれる皮膚のセンサーを活用した、
とっておきの方法を教えていただきました。

 

ご自身の体と対話するような気持ちで、
ぜひ最後までお楽しみください!

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

著者プロフィール
金子香織


BodyworkSalon Enn 代表
「骨格ラインから整える機能的で美しい身体づくり」をコンセプトにした、姿勢を整えるサロンを運営。“美と健康は両立する”という概念のもと、「身体という器」を整えるコンディショニング法を提供している。並行して、同コンセプトであるトレーナー育成アカデミー事業「re・Frame conditioning Academy」※rfca講師として全国各地で指導者育成に力を注ぐ。またdatum group内において、d.Mファシリテーターとしても活動をしている。自らの身体の不具合を克服することをきっかけに学び始めた身体づくり。様々な観点から身体を捉え、学ぶことにより、土台を整えることの重要性に気づく。自律(自立)した身体づくりの智恵をお伝えすることを得意としている。

 

こんにちは
金子香織です。


電車の中や道行く人たちを見ていると「姿勢が崩れている方が多いなぁ」と感じることがあります。


あなたは、ご自分の「姿勢」を客観視したことがあるでしょうか?

 

多くの方は自分の顔を鏡で見ることはあったとしても、体全体を鏡に映したり、日頃の姿勢をこまめにチェックするなど、意識的に自分の姿勢を顧みようという方はおそらく、殆どいらっしゃらないのではないかと思います。

 

さて、前回の記事では「脳内には現在の姿勢がプログラミングされている」ということをお伝えしました。

このように、姿勢は意識しない限り、現状のプログラムを新たに書き換えることは不可能です。

そのため、もしも今あなたが姿勢にお悩みをお持ちであれば、新たに脳のプログラムを「良い姿勢」へと書き換えるために行動を起こす必要があります。


そして同時に、日頃の姿勢が「現在のあなたの姿」を形作っている、という事実をまずは「認識すること」が重要となります。

本日は前回の内容を踏まえて、脳内マップを書き換え、姿勢を整えるためにできるファーストステップについてお伝えしたいと思います。


どうぞ最後までお付き合いください。

まず大事なのは、自分の今を「客観視する」こと

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美しい姿勢づくりのポイントは「ただ闇雲にエクササイズをすればよい」ということではありません。また、「筋肉を均等に鍛えればよい」というわけでもないのです。

そうではなく、「ご自身の今の姿をありのままに客観視して認めていく」という心の状態を、まずは大事にしていだきたいのです。

なぜなら、より良い方に変化を起こすためには、今の状態を認めなくては何も始まらないからです。

これは多くの方が案外見落としがちなことですが、全てに通じることで、姿勢を改善していく上でもとても重要なスタートラインとなりますので、まずはこの点について強調しておきたいと思います。



では美しい姿勢づくりのための第一歩をお伝えしたところで、いよいよ実践編に入っていきましょう。

皆さんがご自身の体を客観視する方法を考える時、具体的に思いつくのはどんなことでしょうか?

真っ先に思いつくのは、「鏡に映る自分の姿を見ること」や「写真に映っている姿を見ること」などかもしれません。

もちろん、これらの方法は私も大賛成です!

なぜなら、五感の中でも視覚情報にはとても多くの情報が含まれているので、ビジュアルイメージから自分の姿を認識する方法としては、とても有効な手段だからです。


かくいう私も、セッション時はお客様にご自身の姿を客観視してもらう手段として「写真を撮って自分の今の姿をご覧いただく」という方法をよく活用しています。


こういう時、ほぼ毎回皆さんに共通していることがあります。


それはズバリ、「ご自分が写真に映っている姿を見てびっくりされる」ということ。


理由はシンプルで、ご自分が思っていた姿と実際の姿の間にギャップがあるーーつまり認識と実際の姿のボディーイメージがあまりにも違っている、と感じられるから。


これは言い換えれば、「普段から自分の姿を意識的に見る習慣がない」ということでもありそうです。


多くのセンサーが集中する、皮膚のしくみ

では、自分の今の姿を客観視するためには、この他にどんな方法があるのでしょうか?

 

代表的なものとして挙げられるのが「触圧」。皮膚で感じ取る感覚を利用した方法です。

 

外界と肉体とのあいだにあって、両者を結ぶ役割を果たしている皮膚には、多くの「受容器」といわれるセンサーが多く存在しています。

essence

 

中でも重要なのが、「圧覚」と呼ばれるセンサー。

 

圧覚は読んで字のごとく、皮膚にかけられた圧を感じ取る感覚センサーの働きのことを表します。


たとえば、マッサージをしてもらった時のことを思い浮かべてみましょう。

マッサージで体を軽く優しく撫でられる程度の感覚と、逆に強めに押された際に感じる感覚には明らかな違いがありますよね。

このように私たちの皮膚は、外界との関係性の中で外側から与えられる様々な情報を微細に感じ取り、圧覚と呼ばれるセンサーがキャッチして、体の動きや姿勢、あるいは情緒に至るまで、自ら自動調整する機能が働いているのです。

“圧覚”を活用して、自分の体を客観視してみよう!

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それでは、実際に「圧覚」を通して敏感に変化をキャッチできる皮膚をいざ客観視に利用するとしたら、どのような方法を思いつくでしょうか?

 

ちなみに私のおすすめは、椅子に座っている時、あるいは床に座っている時などに、左右の座骨(お尻の骨)の接地感覚を感じてみる、という方法です。

 

このようなことは、日頃とくに気にも留めないことかも知れません。しかしご自身が左右どちらの方向に体重をのせやすいか?ということを意識してみるだけで、体のバランスを意識するきっかけに繋がります。



またこの他にも、立っている時に働く足裏のセンサーを利用して、どちらの方向に重心が傾いているのか、感じ取ってみるのもおすすめの方法です。

極端に片側に体重を載せる癖のある方もいれば、比較的左右均等に体重を載せている方もいらっしゃると思いますが、ご自身の体の傾き加減を自覚する上ではとても重要です。

 

また、このことを運転している時に当てはめてみるのも良いでしょう。

運転している際、背もたれに寄りかかっている背中や腰は左右どちらに多く体重をのせているでしょうか?


このように私たちは無意識のもとにいつもの癖の通りに体を使うことで、自分にとって楽な体勢をとっているのです。

そして、その状態が脳に記憶されるために現在の姿勢が維持され続けている、ということになるのですね。

《実践編》姿勢を整えるための3つのステップ

Happy young woman doing exercise on yoga mat at gym

それではここからは、圧覚を利用した、姿勢を整える3ステップをお届けしたいと思います。

私たちの皮膚には「圧覚」という機能が備わっているのだから、これを活用しない手はありません。先ほどお伝えしたように、体の左右のバランスを客観視する上でとても優れた機能になりますので、ぜひ試してみてください。


まずは、下記のステップで、ご自身の体を客観視することから始めていきましょう。

 

◆ステップ1
今取っている体勢(座位・立位など)で、左右の圧の違いを感じ取ってみましょう。

【座位】左右の座骨圧や背もたれの背中圧

【仰向け】左右のお尻や背中、肩など床との接地圧

【横向き】通常、体のどちら側を横にしやすいか?をチェック

【立位】左右の足裏の接地圧

 

◆ステップ2
左右に体を動かして、左右の接地圧が揃うところを探してみましょう。

 

◆ステップ3
左右均等に体重がのっていると感じられる場所で、キープしましょう。

 

日々これらを意識してみましょう。

歪みが強い方や日頃から体重圧に左右差がある方は、体を中心に置くこと(左右均等)に最初は苦痛を感じるかもしれません。

 

理由は歪みが強いほど、また体重圧に左右差があるほど、歪んだ位置で脳に体の位置情報がプログラムされているからです。

 

正した位置がたとえ、良い位置であってもあなたの脳は、「いつもいる位置と違う!」と慣れない体勢に違和感を感じるのですね。

もう一つは、これまでの体の位置で形成された筋肉やその他の組織の左右差が表に出ることもあります。

 

しかし、ここでもう一度振り返ってみましょう。

姿勢を整えたいのであれば、脳のプログラムを変えていく必要があるのです。


だからこそ、最初の頃は違和感を感じたとしても、どうかそこで諦めずに根気よく続けていくことが大事です。

少し時間はかかるかもしれませんが、続けているうちに徐々に違和感はなくなり、自然と慣れて、左右のバランスが整っていきます。


時間的なことでいえば、最初は5分程度キープすることから始める、でも大丈夫です。慣れてきたら、日々意識する回数を増やしていきましょう。

 

圧覚を利用することは、日々の生活の中でご自身の癖に気づくことが簡単にでき、また同時に修正するポイントとして大いに活用できますので、ぜひ今から早速意識して実践してみていただけたらと思います。

 

最後に一点だけ。

始めたばかりの頃は、「圧の違いを感じ取れない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも圧覚のセンサーは使わないと鈍くなるものなので、心配されなくて大丈夫です。


続けていくうちに感覚が目覚めて、センサーの感度が冴えていきますので、ご安心ください。

圧覚は育てることができるので、まずは意識的に「体の左右差を感じ取ってみる」というところから始めてみてください^^

 

ーーーー

 

いかがでしたでしょうか。

 

「姿勢を正そう」と思うと、猫背ぎみの
体を後ろに反らしてみたり骨格の歪みを
矯正するなど、月並みな方法しか
思い浮かばなかったので、今回はまさに
目からウロコでした!


外界と肉体のあいだにあって、
両者を結ぶ役割を果たしている皮膚には
多くのセンサーが集中している。


ゆえに、それらの機能をうまく活用していけば、
体のアンバランスにも気づける、
ということですね!

 

金子さんもおっしゃるように、
今の状態を改善しようと思ったら、
実践に入る前にまずは

「今のありのままの姿を認識する」

ことが重要となります。

 

その意味でも、体を認識するための大事な
ファーストステップとして、
「圧覚」を活用しない手はありません。

 

せっかく備わった体の機能ですので、
ぜひ今日から使っていきましょう。


きっと、一ヶ月後、三ヶ月後の体の変化

楽しみになってきますよ^^

 

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