美と幸福のモト!“オキシトシン”を味方につけるメリットとは?

清潔な新鮮な肌をした美しい若い女性

こんにちは。
essence編集部です。

 

皮膚は私たちと世界を隔て、自分の内側
と外側の世界の境界線であるとともに、
ウイルスなどの外敵から身を守る上で
とても重要な役割を果たしている

 

ということについて前回、桐村先生に
わかりやすく解説していただきました。

 

今回はそれらを踏まえて、私たちが外界
を知覚する皮膚の機能の一つ、「触覚」
に焦点を当てた内容をお届けします。

 

触覚を通して世界と出会い、良好な関係
を築いていくことで、愛情ホルモンの
「オキシトシン」が分泌されるのだと
桐村先生はおっしゃいます。

 

では、オキシトシンが分泌されることに
よって、私たちにはいったいどんな
メリットがあるのでしょうか。

 

皮膚の機能から一歩踏み込んで、
「皮膚と心」の密接な相関関係に
ついて、お聞きしてみました。



ーーーーーーー

 

著者プロフィール:
桐村里紗
医師


tenrai株式会社 代表取締役医師
臨床現場において、最新のバイオロジカル医療や常在細菌学などに基づいた予防医療、生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積んだ後、人と地球を一体のシステムと捉えた「プラネタリーヘルス」を提唱し、執筆、講演、メディア発信を行う。人の意識OSのアップデートから人の病と地球課題の根本解決を目指し、現在は鳥取県に拠点を移し社会実装を行なっている。「プラネタリーヘルス」の理論と実践の書『腸と森の「土」を育てる〜微生物が育てる人と環境』(光文社新書)が話題。

皮膚を通して、私たちは世界と出会っている

shutterstock_457990150前回の記事で、皮膚は私たちと世界を隔て、自分の内側と自分の外側の世界の境界線であるということをお伝えしました。

 

今回はその続きのお話をしていきたいと思います。

 

皮膚には、外界を知覚する知覚神経、「触覚」があります。つまり、皮膚を通じて、私たちは世界と出会っているのですね。

 

そうして、触覚を通して私たちは外側が危険か安全かを判断しています。

 

とくに、乳幼児の発達にとって「触覚」はとても重要です。

 

赤ちゃんは、五感をフル活用して世界と出会っています。大切に扱われることで愛情を感じ、「この世界は危険なところではなく安全な場所だ」ということを学んでいきます。

 

母親のおっぱいを飲み、抱っこされ、その温もりを皮膚に感じることで、生涯にわたって、世界との関係が良好になります。

 

この時に培われるのは、生きていく上での土台となる世界との関係性です。この身体を持って生きていく世界の土台が危険か安全かということは、一生涯の人生に影響を与えます。

 

十分に養育され、世界が安心安全だと認識できれば、情緒も安定し、ストレスにも強く、チャレンジする勇気が持てます。

 

一方で、幼少期にスキンシップが不十分であったり、虐待などのトラウマ体験をもったり、またコロナ禍のように「世界は危険なところだ!触れたら危ない!」などと大人が刷り込んでしまうことで、自分を取り巻く環境が常に危険であると感じてしまい、情緒不安定になり、常にストレスを感じ、出会いを拒否するようになります。

 

皮膚に現れる、「私たちと世界との関係性」

shutterstock_1463239838皮膚の状態は、私たちと世界の関係性を反映しています。

 

しかし、潜在的に世界は危険だと感じていると、皮膚を守る免疫細胞が過剰に働きます。

 

もちろん捉え方によっては、世界は様々な化学物質や刺激物、毒物に溢れていると見ることもできます。

 

ただし、皮膚バリアが正常に機能すればそれらが侵入しないように働いてくれますし、少々のことであれば、私たちは共存して生きていくこともできます。

 

そのために、体には防御力や解毒力などの自然治癒力が備わっているのです。

 

普通の人が反応しないような少量の異物に過剰に反応してしまう場合、「世界が危険」だという強い思い込みがあり、免疫が過剰に働いている可能性があります。

 

皮膚の症状は、「皮膚炎」として目に見える形で現れます。

 

とくに、コロナ禍に幼少期を過ごしている子供たちは、潜在意識に恐れが刷り込まれる可能性がありますから、そうした不安や恐れを軽減してあげるサポートや環境づくりが必要でしょう。

 

皮膚は「心の鏡」と言われ、ストレスでアトピー性皮膚炎が悪化することも同様です。

 

世界に対する認識が、皮膚を通して現れているのが、アトピー性皮膚炎なのです。

 

ストレスとは、自分を取り巻く世界にプレッシャーを感じ、不快感を感じていることを意味しています。つまり、ストレス状況下とは外敵に襲われている状況と近い状態なのです。

 

「周りに敵がいる!戦わなきゃ!」ということで、免疫細胞が攻撃を始めるからです。

 

一方で、潜在的に世界を安心・安全と感じられている方は、同じ状況下にあってもストレスを感じにくく、上手くやり過ごすことができます。

皮膚を健やかに保つための方法

shutterstock_1272057052慢性的で厄介な皮膚炎やアトピー性皮膚炎があるならば、まずは「自分の心」を見つめてみましょう。

 

アトピー性皮膚炎は、心の状態が体に現れる心身症の一種、とされています。

 

ストレスの原因を見つけて、それに反応してしまう自分を見つめてみましょう。ストレスに弱いと感じるならば、世界を危険なところだと誤認している可能性もあります。

 

まずは自分が安心で安全だと感じられる、自分のテリトリーを作りましょう。自分の部屋や家を自分の好きなものや好きな色、好きな香りなどで満たし、心地よいと感じられる空間を作りましょう。

 

肌触りの良い部屋着やファブリックに身を包むと、皮膚が安心します。必ず帰れる安心・安全のテリトリーがあることで、心も安定します。

 

そして、皮膚の潤いを保ちましょう。過剰な消毒をできるだけ避けて、皮膚フローラを大切に守りましょう。

 

適切なスキンケアを行うことで皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚のバリア構造を保つようにしましょう。

 

皮膚のバリアが壊れると、外から病原体や刺激物が侵入しやすくなり、炎症の原因になります。皮膚が炎症を起こすと心地良さの代わりに不快感が起こり、それをストレスと感じてしまうからです。

 

皮膚を健やかに保ち、世界と良好な関係を築くことで、ストレスの代わりに愛情ホルモン・オキシトシンが分泌されます。

 

オキシトシンについては、以前、前回、免疫機能の向上にとっても大切とお話ししました。

 

オキシトシンは、安心・安全なテリトリーでの触れ合いで、愛情を感じることで分泌されます。

 

世界と愛をもって触れ合うことが、皮膚の健やかな美しさにも不可欠なのですね。

 

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いかがでしたでしょうか。

 

まさに「皮膚は心の鏡」というように、
お肌の状態は私たちの心の様子を表す
重要なバロメーターでもあるんですね!

 

そう考えると、
皮膚は私たちの見えないところで身体を
支え守ってくれている、ありがたい存在
であるということに改めて気づかされる
だけでなく、

 

「もっと大切にしていこう」

 

という気持ちが自然と湧いてくるのでは
ないでしょうか。

 

ぜひ今日から、
「新しく皮膚と出会う」ような感覚で、
いつもよりも丁寧に肌と向き合う時間を
つくっていきましょう。

 

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