五穀豊穣を祈る「米づくり」が原点!? 宮中祭祀とも深い関わりがある秋のお祭り

稲穂と青空

こんにちは。

essence編集部です。

9月も半ばを過ぎ、

高くなっていく空や

爽やかに吹き抜ける風を肌に受けると、

秋の気配が感じられるようですね。

 

さて、秋といえば…

「実りの秋」!

 

実りの秋とはよく言ったもので、

田畑の作物が実るだけでなく、

仕事や人間関係、健康に至るまで、

様々なもの・ことが、豊かに実ってゆく季節でもあります。

 

日本では、稲穂が黄色く色づき、

いよいよ収穫を迎える時期^^

 

とはいえ、

秋に豊かな実りを享受するためには、

何もせずにただ待っていればいいわけではなく、

適切なタイミングに種を植え、大切に成長を見守り、

じっくりと育ててゆく必要があります。

 

それに加えて、

稲をはじめ作物がよく育つためには

太陽、水、土、風と、

あらゆる自然の恵みの恩恵を受けてこそ、

豊かな実りを享受することができますよね。

 

古代より稲作を中心に農業に勤しんできた人々は、

きっとそのことを熟知していたのでしょう。

 

時に、厳しい姿を見せる自然に抗うのではなく、

調和することによって

自然が恵みとなって作物を育てる力となるよう、

昔から様々なお祭りを行なってきました。

 

そこで今回は、

秋に行われるお祭りの中でも最重要!?とも言える、

「新嘗祭」についての起源を辿りながら、

お米と日本人の深いつながりについて

解説していきたいと思います。

豊かな実りに感謝を込めて行われる「新嘗祭(にいなめさい」

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前回の記事では、

 

秋のお祭りは一年の中でも、とても重要な位置づけにある

 

とお伝えいたしましたが、

その中でもとりわけ重要なのが、


「新嘗祭(にいなめさい)」

 

と呼ばれているお祭りです。

 

では、この新嘗祭がなぜそれほど重要なのかというと…

皇室でおこなわれる宮中祭祀と、

とても深いつながりがあるからです。


こちらをお読みいただいている方の中にも、

平成から令和へと元号が変わる時に行われた天皇祭祀、

「大嘗祭」のことを思い起こして、

ピンときたという方もいらっしゃるかもしれません。

 

そうなのです!

2019年秋、平成から令和へ御代がわりの際に

宮中でおこなわれた「大嘗祭」は、

いわば「新嘗祭」の超特別版、ともいえるもの。

 

新嘗祭は伊勢神宮と同様に

宮中でも毎年執りおこなわれますが、

大嘗祭となると、やはり別格の存在です。

 

なぜなら、新天皇の即位後、

初めておこなわれる新嘗祭が「大嘗祭」と呼ばれ、

皇位継承に伴う一世一代の重要な儀式

という位置づけにあるからです。


令和の大嘗祭では、

祭祀で神様に献饌されるお米も重要であるため、

東の「悠紀(ゆき)」のお米には栃木県のお米が、

西の「主基(すき)」のお米には京都府の米が

選ばれることになりました。

 

また天皇が御自ら御田植えをする祭祀も、

5月に行われています。

 

こうしたことからも、

五穀豊穣への感謝の気持ちを込めて行われる

お祭り(祭祀)が重要な意味をもっていること。

それとともに

米、稲作というものが日本文化にとても深く関わっている、

ということが見えてくるのではないかと思います。

お米は神話にも登場する、神様から授けられた食物

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ではなぜ日本において「米」が、

それほど大事なものとして扱われているのでしょうか?

 

実はその起源には、

日本神話の中に登場する「三大神勅」と呼ばれるものと

深い関わりがあります。

 

「三大神勅」とは、天照大御神が邇邇芸命(ににぎのみこと)に

授けた、日本の国づくりにとって重要な3つの神示(神勅)のこと。

 

その内容には、

・天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅

・宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅

・斎庭稲穂(ゆにわのいなほ)の神勅

 

がありますが、

3つ目の「斎庭稲穂の神勅」にこそ、

稲作のルーツがあると言われているのです。

 

そしてこちらには、

「天照大御神は高天原でつくる

神聖な庭の稲穂を子孫に授け、

この稲穂を育てて葦原の瑞穂国を治めて繁栄させなさい」

という意味が込められています。

 

参考:

https://life.gentosha-go.com/articles/-/3252?page=2


つまり、

「斎庭稲穂の神勅」では、一言でいえば

日本人の食べ物としてお米を作りなさい、

 

ということが伝えられているのです。

 

神勅といえば、

建国の時に神様から日本の民が賜った、大切なご神示。

いわば、国を繁栄させる基礎ともいえる宝物です。

 

こうした重要なことが神話でも伝えられているからこそ、

神話からそのルーツが続いている天皇家では

古よりことさらに「米」を大切に考えられ、

国土に稲作の基盤をおつくりになった。

そして、その国に生きる民は

米づくりに懸命に励んできた歴史がある、

ということになるのですね。

 

また稲作については、

古神道に伝わる最重要の祝詞、

「大祓」の中の一文、

「葦原(あしはら)の瑞穂国(みずほのくに)」

というかたちで登場します。

(大祓とは、天皇が神から授かった言霊)

 

大祓では、

たとえ自然環境が厳しく

うまく育たないことがあったとしても、

稲作を守り国の繁栄の基盤とするように、

と伝えているのですね。

 

このように歴史を遡ってみると、

米、稲作というものが

日本の建国にまで関わっていた、

ということが見えてくるでしょう。

他にもたくさんある!お米と深いつながりのあるもの

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さて、これまでの流れで、

「お米は神聖な食べ物」

ということが、

大まかにお分かりいただけたのではないかと思います。

 

皇室祭祀をはじめ、

全国各地で行われる秋のお祭りでも

豊作への感謝の気持ちを込めて献撰されていることを思うと、

改めて「ありがたい」という思いが

自然と湧き起こってくるのではないでしょうか。

 

その一方で、

そうした神聖な食べ物を献撰物として

神々に捧げるばかりでなく、

日常の食文化の中にまで

しっかりと浸透し根付いているというところが

「いかにも日本らしい」と感じる方も

いらっしゃるかもしれません。

 

たとえば、お米と共に献撰物として

捧げられる「お酒」もまた、

米を使って作られる代表的なものとして

知られていますよね。

 

神様に捧げられるお酒(日本酒)は、

御神酒(おみき)と呼ばれていますが、

これは奈良県で有名な大神神社にも由来がある、

と言われています。

それから、

お正月のお雑煮や鏡開きなどでお馴染みの、「お餅」。

 

これもまた米を大切に思う、

古代の人々の思いがカタチになったものなのです。

 

古来、餅は稲の神様が宿る特別な食べ物

とされてきましたが、

一説によれば、

 

餅とは、一粒一粒がとても貴重であった米が

たくさん集まってかたちになったもの

 

という意味もあったといいます。

 

確かに、今でこそこれだけ様々な技術が発展して、

安定的に米を収穫することができていますが、

昔はとてもそんな状況ではなかったでしょう。

 

それは日本の自然環境を考えてみても

よく頷ける話です。

 

四方を海と山に囲まれ、

森林資源や豊富な水に恵まれた日本列島ですが、

それは同時に、

いつ荒れ狂うかもわからない自然の猛威、

天災と常に隣り合わせである、

ということを意味していたからです。

 

とはいえ、そうした自然を克服しようとするのではなく、

受け入れ、調和する道を選んだのが、

私たちの祖先、尊いご先祖様たちの存在です。

そのようなことに思いを馳せてみれば、

古代からこの地に生きる人々が毎年

米の豊作を祈念する祈りの姿が、

自然と脳裏に浮かんでくるようですね。

 

そしてそうした祈りの姿こそ、

日本においてのお祭り、

祭祀の始まりです。

田畑の稲が黄金色に色づき、

今にも収穫の時を迎えているこの季節。

 

実りの秋ともいえるこの時期に、

ぜひ世界でも稀有な長い歴史を誇る日本と

食文化として親しんでいるお米に

思いを馳せてみたいですね。

 

こうした歴史を踏まえて参加してみると、

きっとこれまでにない、

新たな発見が待っているはずです。

 

――――

 

いかがでしたでしょうか。

 

私たちの日々の食卓に上がり、

日常的にいただいているお米ですが、

こうして歴史を遡ってみると、

お米の起源が日本神話にまでつながることが

わかります。

また、昔から『米一粒、汗一粒』

という言葉があるように、

とくに昔の人にとってお米を育てるということは

相当な苦労を要するものであったと同時に、

五穀豊穣の神々からもたらされた、

私たち日本人にとって

本当に尊い、ありがたい食べ物だということが

見えてくるのではないでしょうか。

 

私たちが

「いただきます!」と手を合わせてから

食事をはじめることも、

こうしたお米への感謝の表れとも言えるでしょう。



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