年間で32万回!? 意外と知らない「お祭りの起源」とは。

浅草寺と花火

こんにちは。

essence編集部です。

 

日本では毎年、全国各地でお祭りが行われています。

 

お祭りは地域の

文化や風習に基づいた伝統行事でもあるため、

一言で「お祭り」といっても

その個性やスタイルは実に様々。

 

所変われば、全く異なる祭りの魅力に出会えるのも

日本ならではの楽しみ、

といっていいかも知れません^^

 

さて、そんな風に

日本人にとってはすっかりお馴染みのお祭りですが...

 

昨年から今年にかけては

コロナの影響もあって、

これまでのようなリアルなお祭りの開催が叶わず、

残念ながら中止となってしまったケースもあるようですね。

 

その一方で、こうした状況を好機と捉えて

これまでとは違った

新たな試みにチャレンジしようとする動きも増えているようです。

 

その大きな変化の一つとして挙げられるのが

お祭りの場が、

リアルから「オンライン」へと変化したこと

 

これまでは

リアルで集まるのが当たり前と思われていたお祭りですが、

オンラインで参加するお祭りでは

また違った楽しみや発見が得られそうです。

 

時代が変わり、スタイルが変わっても

今なお脈々と続いている、お祭り。

 

ではそもそもなぜ、お祭りは日本において

こんなにも愛され、長く続いているのでしょうか?

 

そこで今回は、日本文化に深く浸透している

【お祭りの起源】について、解説していきたいと思います。

 

「お祭り大国ニッポン」の秘密に迫る

第一弾の記事、ぜひ最後までお楽しみください。

ざっと計算しても、年間で32万回以上!?「お祭り大国ニッポン」と呼ばれる所以

shutterstock_453383758

日本では毎年多くの「お祭り」が行われています。


夏の風物詩である盆踊りや縁日など、

近所の神社で行われる身近なものから、

平安時代から1,000年以上の歴史をもつ京都の「祇園祭」、


巨大な張りぼてを乗せた山車が

町中をダイナミックに練り歩く青森の「ねぶた祭り」、

東京・浅草で盛大に行われる「三社祭」まで、

日本には実にさまざまなお祭りがあります。


また、お祭りごとに様々な個性がありますが、

昔から言われているように

お祭り本来の目的を


「神様に感謝すること」「祈りを届けること」


と捉えてみると、

各地域や土地を守っている

「神社」の存在が自ずと浮かび上がってきます。


ご存知の方も多いと思いますが、

 

日本の神社の数は8万社を超える

 

と言われていますよね。

 

その各々の神社で春夏秋冬、

季節ごとに最低4回お祭りが行われていることを考えると、

 

ざっと単純計算しただけでも、なんと32万回!

 

毎年かなりの数のお祭りが各地で

行われていることになります。


また、これらに加えて

昔から行われている年中行事や

神社で毎月のように行われる月次祭、


さらに皇室ともゆかりの深い

伊勢神宮で毎年行われている

神嘗祭や新嘗祭なども含めると、

相当な数に上ることが想像できるのではないでしょうか。


年間でこれだけの数のお祭りが行われていると考えると、

日本はまさに「お祭り大国」!!!

 

世界に有名なお祭りはたくさんありますが、

数でいえば、

世界ダントツのトップを誇る

と言えそうです。


では、そもそも「お祭り」は、なぜ始まったのでしょうか?

また、なぜお祭りをするのでしょうか?

 

今回はそんなお祭りの起源とお祭りをする理由について、

紐解いていきたいと思います。

お祭りの起源とは?

shutterstock_1329058931

日本のお祭りの起源は

日本最古の歴史書と言われている『古事記』の中の有名なエピソード、

「天の岩戸隠れ」にあると言われています。

 

ここで簡単に、その重要な一節をご紹介しましょう。


ーーーーー

 

日本の国土ができて、神々が暮らし始めたある日のこと。

太陽神アマテラスオオミカミは、

荒れくれ者の弟スサノオノミコトが悪さばかりすることに心を痛め、

岩戸の中に隠れてしまいます。


アマテラスオオミカミが岩戸にお隠れになってからというもの、

太陽のない世界は暗く災いも多くなってしまったため、

困り果てた八百万の神々が話し合いをして、

アマテラスを導き出すために岩戸の前で、

どんちゃん騒ぎの宴を行うという計画を立てます。

 

ここで活躍したのが踊りの名手・アメノウズメ。

踊って歌って皆で楽しそうにしている外の様子が気になったアマテラスは

そこでついに岩戸から姿を表し、

世界には再び太陽の光がもたらされて明るくなった、

というお話です。

 

ーーーーー


さて、このことから

お祭りが、神様や自然と深い関わりがある、

ということが見えてくるのではないでしょうか?


また、辞書で調べてみると、

 

「祭り(まつり)」という言葉の語源も

「祀る(まつる)」に由来する

 

とあります。

 

このことからも、

 

お祭りとは「神事」につながるもの。

神に感謝を捧げることや

神をお慰めする慰霊や鎮魂の意味がある

 

ということが見えてきそうです。

春夏秋冬、季節ごとに意味のあるお祭り

shutterstock_264731420

さて、このように「神様をお祀りする」

という意味をもつお祭りですが、

実はこのお祭り、

日本人の無意識の奥にある

「自然観」とも深く結びついているのです。


日本では四季を通して、

さまざまなお祭りが行われていますね。


これは季節によって、お祭りに異なる目的があるから。

 

またその大元には、

古くから続く風習として「五穀豊穣を祈念する」

という意味が込められているのです。

 

そしてそれが春夏秋冬、

季節ごとのお祭りに色濃く反映されているのが、

日本のお祭りの大きな特徴です。


それではここで、

季節ごとのお祭りの目的と意味を、簡単に見ていきましょう。

 

《春のお祭り》

春は、はじまりの季節。

あらゆる命が躍動を始めるこの季節は、

「豊作祈願」のお祭りが全国各地で行われます。

農業の始まりを神様に御奉告するとともに、

その年の豊作をお祈りするものとなります。

代表的なものとして「御田植祭」が挙げられます。

 

《夏のお祭り》

夏は、春に植えた稲が成長する時期。

そのため害虫や台風などの影響によって

作物が損なわれることがないよう、

かつては「風除け」や「虫送り」などのお祭りがおこなわれていたようです。

この他、京都の祇園祭に代表されるように、

夏のお祭りは疫病退散や厄除けの意味が込められたお祭りが

全国的に多いのも特徴です。

 

《秋のお祭り》

秋は、春に植えた稲が大きく成長して実る季節。

そのため収穫に対する感謝祭が各地で行われます。

中でも収穫した新穀を神様に捧げるお祭りとして代表的なのが、

1123日におこなわれる「新嘗祭」。

毎年、伊勢神宮でおこなわれる「新嘗祭」は、

神嘗祭とともに一年の中でも重要なお祭りとして位置付けられています。

 

《冬のお祭り》

冬は、収穫を終えた農閑期の季節。

田の神をねぎらい、平安無事で良い新年を迎えるための

お祭りが行われます。

一年の中でもとても重要な意味を持つ「秋のお祭り」

shutterstock_1339101977

いかがでしょうか。

 

日本の祭りはその大元に

「五穀豊穣を祈念する」という意味があって、

豊作を祈るために春夏秋冬、季節ごとの目的により

お祭りがおこなわれていることがわかりますよね!

 

また日本は古来、自然のなか、

森羅万象に神様の存在を感じる心が宿っており

それを

 

「八百万神(やおよろずのかみ)」

 

と呼ばれてますが、

 

先ほどご紹介した

春の「御田植祭」、

夏の「風除け」や「虫送り」のお祭り、

さらに秋の「新嘗祭」などのお祭りを思うと、

本当に自然とともに文化があるのだな、

ということを

しみじみと感じさせられるのではないでしょうか。


さて、ここで一つ重要なポイントがあります。

 

それは、

春と秋のお祭りが「対」になっているということです。

 

つまり、春に豊作祈願をしたことが

秋には五穀豊穣として実り、収穫することができた。

 

「今年もおかげさまで

無事にお米を収穫することができました。ありがとうございます」


という感謝の気持ちを込めておこなわれるのが、

秋のお祭りの主たる目的であるからです。

 

わかりやすく言うと、

春のお祭りが「お願い」だとしたら、

秋のお祭りは「お願いしたことが成就したことへの感謝」

を捧げるためにおこなわれるもの。

 

そのように考えると、

伊勢神宮をはじめ全国で行われる「新嘗祭」と秋のお祭りが

一年の中でも特に重要であり、

とても大切な位置づけにあるということが

自ずと見えてくるのではないでしょうか。

 

そんなお祭りのルーツにオンラインで触れられる機会として、

弊社グループ法人のひとつ「白川学館」でも、

宮中に由来する伝統的な祭祀を毎月おこなっています。

ご参加には白川学館の会員登録が必要ですが、

ご興味のある方はぜひ御覧になってみてくださいね。


白川学館ホームページ
https://shirakawagakkan.jp/

 


――――


いかがでしたでしょうか。


日本の全国各地で行われているお祭りのルーツが

実は日本の神話『古事記』にあったこと。

 

そのことに加え、

季節ごとのお祭りには異なる意味がありながらも、

それぞれに共通点があったり、つながっている

ことがお分かりいただけたのではないでしょうか。


季節の節目には恒例で目にすることが多いので、


「なぜお祭りが行われているんだろう?」と


ふつうだったら真面目に考えることはない

かもしれませんが、

その起源や歴史に触れることによって

これまでとは違った角度から

日本文化の奥深さや楽しみが見えてくるもの^^


無料の会員サイト「maforama」では

本記事でもご紹介した古神道の叡智についても


お届けしていますので、


ぜひ訪れてみてください。


さらに深い情報に出会えるかもしれません!

関連記事

    essence友達追加