こんにちは。金子香織です。
横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群は、骨盤周辺にあるインナーマッスル(コアマッスル)として、骨盤の引き締めに絶大な効果を発揮する大切な筋肉であるということを以前、記事の中でもお伝えしました。
「骨盤を内側から支える!“天然コルセット筋”のすごい働きとは?」
そこで今回は、昨今、女性の機能として注目を浴びている「骨盤底筋群」をテーマに、骨盤底筋群が果たす役割とその必要性についてご紹介していきたいと思います。
「膣トレ」などをはじめ、骨盤底筋群を鍛える方法やその必要性を謳っている書籍やグッズなども多く出ているので、耳にされたことがある方もいらっしゃるかも知れませんね。
どうぞ最後までお付き合いください。
女性のQOLの向上にも有効!?知ってほしい骨盤底筋群の謎
「骨盤底筋群」はその名の通り、骨盤の底にある幾つかの筋肉をまとめた総称となります。
上記の画像をご覧いただくとお分かりのように、骨盤底筋群は骨盤底全体を覆っており、恥骨や座骨、お尻側では尾てい骨にも付着しています。
骨盤底筋群は、コアマッスルの仲間である「多裂筋」と同時に働くことで、仙骨の位置を整えてくれるだけでなく、お腹のコアマッスルの「腹横筋」とも連携して、骨盤全体を安定化させてくれる役割を担っています。
話は変わりますが、年齢を重ねた方、あるいは出産を経験されたことのある女性から言われる、よくあるお悩みの一つに「尿漏れ」があります。
尿漏れの原因は、排尿や排泄に関わる筋肉である「骨盤底筋群」の機能不全によるもの、と言われています。
骨盤底筋群の適切な機能性が損なわれると、尿漏れ以外にも「膣脱」といった問題を引き起こす原因にもなると言われます。
歪みを直し姿勢を改善するといった側面からだけでなく、女性の日常生活のQOLにも大きく関わってくる、骨盤底筋群。
では、いったいなぜ骨盤底筋群の機能不全が起きるのでしょうか?
ここからは、解剖学的な観点から解説を進めていきたいと思います。
男女で違いのある、骨盤の構造
骨盤の形状は、男女それぞれ違いがあることをご存じでしょうか?
女性の骨盤は、骨盤の底が広く肛門や尿道以外にも膣があるため、男性に比べて骨盤底筋群に負荷が掛かりやすい構造になっています。
また骨盤底筋群には内臓を支える役割もありますが、加齢とともに重力の影響を受けやすくなるため、筋肉自体が伸ばされやすくなる、といった特徴もあります。
尿漏れなどは、骨盤底筋群の筋活動の遅れーーつまり脳から発せられる指令に遅れが生じた際に起きる現象ですが、筋肉の活動を正しく引き出すことができれば改善や予防に繋げることもできます。
このような点からも「骨盤の安定化」という目的だけでなく、骨盤底筋群を鍛えることがいかに重要であるか?ということが、お分かりいただけるのではないかと思います。
とくに今現在、尿漏れなどの現象に悩んでいる女性は、骨盤底筋群を鍛えることによって徐々に体の変化を期待できるはずです。
骨盤底筋群を鍛えて、骨盤まわりを整えよう!
それでは、実際に骨盤底筋群を活性化させるエクササイズをご紹介させていただきます。その前に、筋肉の使い方を少しおさらいしてみましょう。
骨盤底筋群は大きく分けて、
①伸ばす使い方
②縮める使い方
の2つがあります。
(※骨盤底筋群に限らずどの筋でも同様です。また、骨盤底筋の 伸ばす使い方・縮める使い方は生理現象の中で起きる筋肉活動であるため、「骨盤の開閉」とは別の動きとなります)
骨盤底筋群に関しては、排尿排泄をする際には体の外側に押し出すような使い方、つまり筋肉を伸ばすような使い方をしています。
一方、尿や便を我慢する際は、漏れないように体の内側に引き込む使い方、つまり縮めるような使い方をしています。
通常、日常生活では自然にそのような使い方をしているものです。
しかし骨盤の歪みがある方、また日頃インナーマッスルを適切に使っていない方などは、骨盤底筋群の左右の長さに相違が起きていたり、伸びた状態が継続されていたりと、何かと問題を生じさせている可能性があります。
そこで今回は、「伸びている骨盤底筋群を縮める使い方」をお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ参考に行なってみてくださいね。
【骨盤底筋群の活性化トレーニング】
下図は女性の骨盤底を示していますが、男性であっても女性同様に大切な筋肉になりますので、ぜひマスターしてみてくださいね。
まずは、骨盤底のイメージから。上図を参考にイメージしながら実践してましょう。
【エクササイズの方法】
まず、座位になって(胡坐や正座、椅子に腰かけても構いません)
- 腹部や骨盤底、お尻などの力を抜きリラックスしましょう。
- 息を吐きながら骨盤の底(おまた)を骨盤内部の方へ引き上げましょう。
女性は膣の辺りを意識しゆっくりとお腹の方へ引き込むイメージで行ってみると分かりやすいかもしれません。または尿や便を我慢する、途中で止めるなど、ご自身のイメージしやすい形で行ってみましょう。
①と②を繰り返し、10回程度行ってみてください。
注意するポイントとしては、お尻をギュッーと引き締めるような力の入れ方をしないこと。お尻はリラックスして行ってください。
今回は写真の通り座位で行なっていますが、このエクササイズは座位以外の様々な姿勢、たとえば仰向けや立位などどのような姿勢でも行えるものとなっていますので、個々に実践しやすい方法で気軽に行なってみてください。
また最初はよく分からない、骨盤底筋の感覚が掴めないなどあるかもしれませんが、一日のうちに何度か継続的に行うことで徐々に感覚が掴めてきますので、毎日短時間でも良いのでぜひ意識的に行ってみてくださいね。
ーーーー
いかがでしたでしょうか。
骨盤まわりは、子宮をはじめ腸などの
大事な臓器が集中しているため、
女性の体にとってはとくに大事な部分。
そして、この骨盤まわりを支えている
骨盤底筋群は加齢とともに重力の影響を
受けて筋肉が伸びやすくなるため、
トレーニングをして鍛えることが
女性のQOLを高める上でも重要である
ことが見えてきたのではないでしょうか。
骨盤底筋群はコアマッスルの仲間である
「多裂筋」や「腹横筋」と連動すること
で骨盤全体を安定化させてくれるそう。
ぜひ様々なトレーニングをバランス良く
組み合わせながら、骨盤まわりの筋肉を
活性化させていきましょう!
***
無料の会員サイト「maforama」へのご登録は下記をクリック。
https://datumhouse.jp/signup
さらに深い情報に出会えるかもしれません。
関連記事はこちらをチェック↓