この光景を、甲府の名物のひとつに~山梨甲府「ふとまにの里」夏祭り企画者インタビュー《後編》

ふとまにの里のイルミネーション

こんにちは。
essence編集部です。

 

前回は、ふとまにの里における現在の取り組みと、地元の人々をはじめ多くの人に開かれたイベントとして「夏祭り」を行うに至った思いをお届けいたしました。

 

そこで今回は、実際にどんな内容で行われたのか?、当日の様子と行ってみての感想についてお話をお伺いしました。後半には、今後の展開についてのお話も!?

 

ぜひ最後まで、お楽しみください。

 


▲七澤喜和(ななさわ きわ)
Mafora estate(株) 代表取締役
山梨県甲府市を中心に、不動産管理や古民家リノベーション事業をはじめ、地域の活性化につながる農業、イベント、コミュニティ作り、食品開発に取り組む。
http://www.mafora.estate/index.html

 

 

ーー前回に続き、今回は実際の夏祭りの様子についてお伺いしたいと思います。まず、まほらエステートの企業理念を今回のイベントで具現化するにあたってとくに大切にされていたのは、どんなことでしょうか。

 

喜和さん:
まず、地域の方が気軽に立ち寄っていただけるような場をつくるということを第一に心がけました。そのためには「誰もが気軽に立ち寄れる」ことが大事だし、お祭りということもあったので、とにかく「楽しそう」と感じていただけるような場をつくろうと。全体の雰囲気はもちろん、内容も充実したものにしたいと、一つひとつゼロから考えていくことになりました。

 

その中の一つで、今回は事業者さんを募り、無料と有料を組み合わせるという試みを実行しました。

 

一般的には、無料だと入りやすいイメージがあるかもしれませんが、人にはいろいろな価値観があって、実は有料の方が入りやすいという方も中にはいらっしゃるんです。そこで、無料と有料を組み合わせた方がむしろ参加者の方の心のハードルを下げられるのではないか?と考えたんです。

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ーー途中で色々なご苦労はあったと思うのですが、参加されたキッチンカーの方も「すごく良いイベントだった」と、後からおっしゃっていたそうですね。

 

喜和さん:
はい。事業者さんも最初は1020人ぐらいの来客のイメージだったけれど、完売になって嬉しかったと言っていただくことができました。

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ーー実際には、トータルで何名くらい参加されたのでしょうか?

喜和さん:
お子さんが100人、大人がその倍くらいの人数ですね。とはいえ、今回は初めてのことでもあったので、実際にどれくらいの方が来てくださるのか未知数な部分もあったのですが。でも、いざ蓋を開けてみたらお天気に恵まれたこともあり、予想以上の数が来てくださいました。

 

ーーお写真からも楽しく、とても充実した様子が伝わってきます。これも地元の方々と地道に繋がりをつくったり色々と準備をされてきた結果なのではないでしょうか。
質問が変わりますが、具体的にどんな催し物をされたのでしょう?

 

喜和さん:
カレーライスを無料で提供させていただいた他、ペットボトル飲料の配布、スイカ割り。それからお菓子の詰め合わせに、くじ引き、スーパーボールすくいの縁日など、夏祭りにふさわしいテーマで企画しました。

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その他にも、有料のキッチンカーで事業者様にご協力いただきました。縄文バーガーが印象的な和菓子のお店の出展をはじめ、串焼き、綿あめ、かき氷、ジェラートアイス、米粉クレープなどです。

 

どの事業者様も誠心で子どもたちに合わせて価格を調整して下さったり、食べやすい量にしてくださったりと細やかにお気遣いいただき、ご協力いただいた方々にはとても感謝しています。

 

どれもそれぞれに好評だったのですが、とくにカレーは子どもたちに大人気で賑わっていました。夜のイルミネーションもすごくきれいで、心に残っています。

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ーーまさに、盛りだくさんな内容ですね!その他にも、音楽の演奏があったと伺いましたが、そちらはいかがでしたでしょうか。

喜和さん:
そうなんです。いつもお世話になっている白川学館の会員の方が「赤とんぼ」をアカペラでご披露くださるというシーンもありました。奥深く優しさに溢れた歌声に懐かしさを感じて、感動がこみ上げてきました。

それから、雑誌『ソトコト』の記者の方も取材に来てくださり、トランペットでミッキーマウスのマーチなどの演奏をしてくださいました。子どもたちが興味を持ってくれるよう、場を盛り上げてくださったのですが、そういう皆さんのお心遣いも、とても嬉しかったです。

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ーー昔懐かしい「里山」の風景に音楽が流れているところを想像すると、ほっと心が温まる思いがします。では、今回開催してみて難しかった点はどのような点でしょう。今後の課題があれば教えてください。

 

喜和さん:
そうですね、一番難しかったことといえば、ライトアップの事前テストでしょうか。テストは実施したものの当日を想定するのが難しい部分もあり、ご協力いただいている方のご尽力に全面的に頼ってしまった、ということがありました。

 

ただ、反省点は色々あるものの、ライトアップはすごくキレイでとてもご好評をいただいたので、次回以降にぜひ活かしていきたいですね。昼間とは違った、ふとまにの里の夜の幻想的な光景を甲府の名物の一つにしていければ、これからより愛される場所になっていくと思います。

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他にも、スタッフの配置や導線であったり、ボランティアとして参加してくださった方のケアなど反省点を挙げたらキリがありませんが。実施してみたからこそ見えたこともあるので、チャレンジしてみて本当に良かったです。また実績ができたことで、次の展開にも繋げやすくなったと思います。

 

それから個人的に印象的だったのは、正直、途中でヒヤヒヤしたことも何度かあったもののスタッフの皆さんがイベント慣れしていることもあって、臨機応変に対応してくれたおかげで乗り切れた部分も多かったと感じています。その点は今回初めてのイベントでもあったので、とくに心強く感じられた部分でした。

 

ーー反省点はありつつも、それ以上に実施したことで見えたこと、得られた経験も多かったのですね。

 

喜和さん:
はい。今回はとくに地域の交流という大きなテーマがありました。そのため準備の段階から地元の様々な方々とお話できただけでなく、当日、実際にこの場に足を運んでいただいたことで、私たちがどんな思いのもとにこのような活動をしているのか、実際に多くの方にご覧いただけたことは、大きな収穫だったと思います。

 

実際に来ていただいた方の表情を見ていると本当に喜んでくださっているのがわかって!やはり単に情報を見聞きしたり、遠巻きに見たりするだけではわからないこともありますから。

 

それから印象的だったのは、学生さんに「こんなところにこんな広場があるなんて、気づかなかった。またイベントがある時には、来てみたい」と言ってもらえたことですね。

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また、ここ数年はコロナの影響もあって、地元の大小さまざまなお祭りが3年くらい開催されていなかったこともあった中で、「初めて、お祭りに参加した!」と喜んでいたお子さんもいました。そういう場を提供させていただけたことも、開催して良かったと実感する点です。

 

こうやって少しずつ地元に住む人同士の距離が近くなって接点ができることで、お互いに挨拶ができたり共通の話題で繋がれたりと、あたたかい交流が生まれることはすごく良いことだなと思いました。

 

ーー最後の質問になります。今後やってみたいことや次回の予定がありましたら教えてください。

 

喜和さん:
次回は、11月に地域資源を生かした「収穫祭」=マルシェを開催したいと考えています。

 

具体的には、お米を作っている地元の方や事業を手伝っていただいている方など、私たちと繋がりのある方々が扱っていらっしゃるものを、それぞれ生かした市場のようなものができるといいなと思い、今計画しています。

 

また、これからは食べ物に限らず、シルクや水晶など、地元の特産品を生かした企画ができるといいなと思っています。そういう場所があることで、生産者の方と直接つながり、さまざまな人と人との交流が生まれることにつながると思うので。

 

そうやってイベントを開催していく中でだんだんと定例化していって、ゆくゆくは里吉の風物詩になったらいいですね。

 

「秋だから、ふとまにの里で秋祭りがあるね」というような感じで、地域の人に楽しみにしてもらえるようなイベントをつくっていけたらと。ゆくゆくは「みんなの公園」みたいなかたちで、子どもたちが気楽に集まってゆっくりと自然を感じられたり、無邪気な自分に戻れる、スイッチングできるような場所にしていきたいと思います。

 

地域に喜んでもらう、子供達に喜んでもらう、地域の活性化から日本を元気にしていくという、まほらエステートさんの企業理念がよく表れたイベントになった、ということが本当によく伝わってきました。ありがとうございました。

 

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