七夕ワークショップ
)斉藤祝殿宮司のお話
皆さんは、笹の葉に短冊を吊るして
お願い事をしたことがありますか?
今日は、七夕の日としてお祭りを
みんなと一緒にお祝いさせていただきます。
正式な七夕の日にはお祭りをして、
七夕の神様にご挨拶します。
「これからよろしくお願い申し上げます」
とお祭りを通じて、神様に報告します。
お祭りの日には、必ず神様にご報告するんですね。
今日はこういうお祭りをしますよ。
おみこしを担ぎますのでよろしくお願いします。
など、
お祭りには毎回いろんなテーマがありますが、
毎回、神様にご報告をすることが
大事なことです。
たとえば、今回は七夕のお祭りですので、
「今日は七夕の日でお祭りをします」
「お祭りの時には、お祓いをします」
というように、
日本語の言葉を、一つ一つ確かめることが
神様へのご挨拶になります。
お祓いの時に言葉を一つ一つ確認して、
自分の言葉を大切にして
短冊に願いごとを書きましょう。
初めて体験する人も多いかもしれませんが、
ぜひ、やってみてください。
丸い玉(鎮魂石)に向かって
心を落ち着かせることもこれから行なっていきます。
あと、そこに変わった器(三方)があるよね。
見たことある子はいるかな?
あれは、神様に捧げるための器なのです。
神様に捧げるためのものなので、独特な形をしているんですね。
器(三方)には、神様に召し上がっていただくよう
お供え物をします。
神様にお供え物を捧げる時にはルールがありますが、
みんなと協力して、楽しみながら出来ればと思いますので
よろしくお願いします。
)七澤清子先生のお話
皆さんも、お祈りすることがあると思うのだけれど、
そういう時はどこでお祈りをしますか?
たとえば、神社に行ってお祈りをしたことがある子も
きっといますよね。
そういう時は、
「どうか足が速くなりますように」って、
お祈りすることがあると思うんです。
【祈る】というのは、すごく根源的なことで
人間としての大元、一番最初にあるものです。
祈りの「い」っていうのはね、
意志の「意」と言ったりします。
意志って分かりますか?
意志いうのは、
自分の心で思っている事をお祈りするという意味で、
「ことだま」っていうことにもつながってきます。
これは白川の極意でもあるのだけれど、
「お祓い」というのは、お祈りなんですね。
つまり、「お祓い」や「鎮魂」は、
色んなものを祓って祓って祓って祓って、祓った先に
一番最後に残るものが、
「自分の意志」というふうに伝えられています。
最後に自分の中に残ったものというのは、
自分が今一番やりたいこと。
一番叶えたいことなのです。
学校のことも何も考えずに、
自分の中だけのことになった時に
思いついたことが、いま自分が一番叶えたいこと。
もしかしたら、お料理がうまくなりたいとか、
一番早く走れるようになりたいということかもしれません。
そういう自分の心が綺麗になった時に残った言葉が
何か?ということを、
今日皆さんにも感じてもらえたら嬉しいです。
祈りを日々意識して生きていくことは、
すごく大切なことなんですね。
【力を入れずして岩をも動かす】
という言葉がありますが、
それは言霊の極意でもあり、
これも、ひとつの祈りです。
だから、力を入れなくても岩が動いちゃうぐらい
心からの祈りを捧げる。
言葉、言霊に力みたいなものを感じて欲しかったり
するんだけど、これを毎年七夕の時に、
どういうことなのかな、って感じることは
すごく大切なことだなと思います。
)鎮魂
【鎮魂を行う時のお約束】
・一つ目
玉をずっと見つ続けること
・二つ目
動かない
・三つ目
お話しをしない
【印の組み方】
右手が太陽。全部の指を丸くします。
左手が月。下から印を組みます。
それをおへその下ぐらいにある丹田に置きます。
)願い(意志)を短冊に書く
みんなの心の中には、きれいな湖のようなお水があります。
そのお水は、風や波で揺れたりしますが、
しーんとピタッと自分が止まると、
水もしーんときれいな湖のようになります。
それが鎮魂のイメージです。
)願い(意志)を短冊に書く
鎮魂をして、自分の心が綺麗になった状態で
子どもたちには、短冊に願い事(意志)を書いていただきました。
迷いなく、真っ直ぐな気持ちで、願い(意志)を
書いていた姿が、とても印象的でした。
)所作の確認、祭祀で使う用語の解説
お祭りに臨むにあたってのルール確認、心構えの確認を
行いました。
頭・・・心を落ち着かせた状態でお祭りに臨みましょう。
入れ物の水の中の波が静まるようなイメージで。
目・・・お供え物を献饌する時に、ちゃんと真っ直ぐ前を向いて、
周りに気を配ってお供えしましょう。
口・・・お祓いの時以外は話さない。お祓いの時は
ちゃんと言葉を発しましょう。
手・・・お祓いの時は、ちゃんと両手を合わせてお祓いをします。
お供え物を持つ時は、両手で丁寧に持ちます。
足・・・足音を立てない。丁寧に歩く事を意識する。
〜祭祀で使う用語の解説〜
【献饌(けんせん)】
神様に大事な物をささげる事。
旬の食べ物や大事な物を、
八足台というテーブルに載せて、
神様にささげます。
【祓詞(はらいことば)】
みんなが普段使っている言葉を、
一つ一つ確かめるように整えていきます。
一つ一つ丁寧に整えることで、
自分の本当の心の気持ちが、
雲がだんだん晴れていくように、
本当の意志が出てきます。
その為に、普段使っている言葉を丁寧に
一言一言一音一音丁寧に整えていきます。
【祝詞奏上(のりとそうじょう)】
お祭りには、毎回テーマがあります。
今回は七夕がテーマなので、
七夕の神様に向かって
今日は七夕のお祭りをします
ということを報告します。
それが祝詞奏上です。
【二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)】
礼というのは、お辞儀の事です。
二礼というのは、二回連続してお辞儀をします。
神社にお参りした時に、
手を叩いたことはありませんか?
これが拍手です。
右手と左手を両方を合わせること
音が鳴ります。それを確かめることも含めて
ポンポンと二回行うんですね。
それが拍手。
まず手を叩くことを覚えてください。
神様に自分と神様がちゃんと向かい合って
神様、今お呼びしましたよ、という意味でもあります。
自分と神様がちゃんと今ここにいることを、
手を叩くことで確認します。
【撤饌(てっせん)】
「献饌」で一度神様にささげましたので、
元に下げさせていただきます。
神様にささげた野菜や果物を、
皆さんも一緒にいただきます。
神様にささげた物を、皆さんと分かち合って
一緒に食べましょう、
ということです。
)七夕願立祭
神様に、七夕のお祭りをする事、
願い(意志)を立てる事を報告しました。
)短冊を笹に結び立てる
願い(意志)を書いた短冊を笹に結び、笹をふとまにの里の池に立てました。
斉藤祝殿宮司に火打ちと六種鎮魂をしていただき、
皆さんそれぞれの願いを立てました。
七澤久子先生のお話
※お話の一部を紹介いたします。
今日はかかしを作りますが、
かかしに向かってお祈りをする。
あるいは七夕の笹に向かって自分の願い事を重ねることは、
とても大事なことだと思います。
これは私の主人の七澤賢治が、子どもたちのために
昔から伝承されてきたことを伝えたいという想いがあって、
これまでこの活動を行ってきました。
七澤賢治がかかしに向かって
火打ちをしている写真があります。
一つひとつは小さなことかもしれないけれど、
そういうことが
本当はすごく大事なことなんですね。
かかしに向かって鎮魂します。
かかしの神様にも御霊(みたま)がありますから、
それに対してお祈りをするのです。
そういう風にして、
一つ一つお断りがあるんですよね。
だから、「今日はこのことをした」ということを
この胸に刻むというか。
心に覚えるんです。頭ではなくてね。
心に覚えるというのは違うと思うのです。
一つひとつ、かかしに向かって鎮魂をして、
そしてそこにかかしさん
どうぞここで守ってください、
この田んぼの稲を守ってくださいと祈る。
そうすると、
そのお祈りした気持ちが伝わるんですよね。
それがすごく大事なことかなと思っています。
七澤賢治の形は見えませんが、
御霊というか、心というか、
命がつながっていると思うんですね。
6月3日にはここで皆さんと一緒に
お田植えをしました。
それが今、このぐらい(40cm位)になっているんです。
10月ぐらいになると、稲穂が垂れるんです。
頭(こうべ)を垂れるんです。
命というのは、本当にすくすくすくすくと
目に見えてきますので、ぜひお子さんたちが健やかに、
心豊かに、この時をみんなで今日一日過ごしていただければと思います。
かかし作り
かかしを作る時には、
かかしの中に、久延毘古命(くえびこのみこと)という
神様を納めました。
久延毘古命は田んぼの神様、万物を見守ってくださる神様です。
また、久延毘古命は色んなことを知っている神様で、
風の動きを知っていたり、
カラスが来た時に
どうやってそこをどいてもらうかを知っていたり、
いろんなことを知っている神様でもあり、
田んぼの真ん中にいて
田んぼを守ってくださる神様でもあります。
支柱を縦横に組み合わせ、
久延毘古命を納め、服を着せ、
服に稲わらを詰めました。
かかしの顔を書いて完成!
かかしを立てる時に、斉藤祝殿宮司に
火打ち、六種鎮魂をしてもらい、
田んぼにかかしを立てました。
お米が無事に収穫できることを
皆でお祈りました。
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