こんにちは。
佐藤三知代です。
前回の記事では、自然界のあらゆる巡りの起点である「立春」だからこそ、ぜひ意識していただきたい「住空間の整え方」についてお伝えしました。
その時々のエネルギーを最大限に生かし、その恩恵を受けるためには、身の回りの環境を整えることが、まず基本になるからです。
さて、その中で「住空間を整えることで、心も整う」というお話をしましたが、別の視点で捉えれば、「心を整えることで、住空間も整う」ということが言えると思います。
今回は前回とは逆の視点からのアプローチ、つまり「心を整えることで、住空間を整える」というテーマで、お伝えしていこうと思います。
住空間は「心(意識)」を映し出す鏡
みなさんは、スーパーで野菜を買うとしたら、どんなものを手に取るでしょうか?
できるだけ安いもの、鮮度の良いもの、〇〇さんの畑で取れたもの、オーガニック野菜だから・・などなど、選び取る際の基準は人それぞれですね。
そして食品以外のモノであれば、選択基準もまた変わってくるでしょう。
このように、私たちは何かを購入する時=モノを取り入れる時には、たとえそれが無意識のレベルであっても、何らかの「基準」をもって選んでいます。
それは何かを選択するときの価値観であり、思考であり、みなさんの心の中にある「意識」と言い換えることもできます。
つまり、住空間に存在する家具、洋服、家電製品などのモノたちは、みなさんの心の中にある、目には見えない「意識」が「可視化」されたもの、と言えるのです。
たとえば、「本箱に並ぶ本を見ればその人の思考がわかる」と、言われていますね。
このように、目に見える住空間には、目には見えない「心の内側」が映し出されているのです。
前回の記事で、住空間を整えるために「モノと向き合い、その関係を見直す」ことについて触れましたが、いわばそれは、モノに現れた「自分自身の心=意識と向き合う」行為でもあるのですね。
どんな暮らしをしたいのか、暮らしの延長としての人生はどう在りたいのか。
人生を俯瞰しながら、ゆっくりと丁寧に自分の心と向き合った時、「こう在りたい」というイメージが浮かび、自然と心が動くことでしょう。
だからこそ、その心が示す方向に素直に従って、「意識を向けていく」こと。
そんな日々の思考の積み重ね、意識を向けた先の蓄積がその人の「在り方」となって、その人の住空間が形作られていくのだろうと感じています。
「住空間を整える」ということは、決してインテリア雑誌のような完璧な美しさを実現することでもなければ、SNSで見た便利な収納グッズで埋め尽くすことでもありません。
心の視点からみた住空間の整え方とは、自分の心と向き合い、自分の本当の思い(本音)に気づき、「自分の在り方を明確にすること」。
その意識が反映された暮らしを自らが選択することこそ、他の誰でもない、あなただけの心地よい住まい方、快適な住空間を整えていくことに繋がるのだと感じます。
世界の「こんまり」さんから学ぶ、衝撃の大転換
ここで、世界の「こんまり」こと、近藤麻理恵さんの人生に触れてみましょう。
「こんまり」さんと言えば、今や押しも押されぬ「片付け」界のカリスマ的存在。
モノを選び取る時の選択基準が「ときめき」という独自のお掃除メソッドは、国内だけでなく世界中に波及し、広く受け入れられたことで大成功を収めました。
そんな「こんまり」さんが先日、「片付けを諦めた」という宣言を発表。そのニュースがアメリカをはじめ世界中に駆け巡り、多くの人たちを衝撃を与えました。
彼女がその輝かしい成功を手放した理由、それは「子育てに専念する」こと。
「たとえ家中が散らかっていても、子どもたちと楽しく過ごすことが、今この時期、私の人生にとって最優先である。」と話しています。
仕事人としての自分と母としての自分、その間で板挟みになりながら、ご自身の心としっかりと向き合った結果、「母として生きるという意識」に変えたことで、人生を大きく方向転換させたのです。
「こんまり」さんのご自宅は、これまでのように美しく整った住空間ではなくなるかもしれません。でも、たとえ家中が散らかっていたとしても、ご自身の本当の思いに真っ直ぐに生きることを選択したことで、それこそ「ときめきあふれる住空間と人生」を手に入れることができたのではないでしょうか。
「意識」を祓い切った先にある、“中今”の無限の可能性
こうした「こんまり」さんの生き方、その時々で最も大切なモノ・コトを最優先し、必要なければ潔く手放すあり方は、古神道でいうところの「祓い」に通じるものを感じます。
成功者と呼ばれる方々の中には、名誉や名声を手放すことを恐れ、いつまでもその地位に執着してしまう方もいらっしゃいます。
とくに大きな分野で成功を収めた場合、他のことにチャレンジする時も過去と同じような方法で行うなど、無意識にも過去の成功体験やうまくいったやり方に固執してしまうケースは案外多いものです。
しかし彼女は、そんな恐れや執着を手放し、「完璧に片付けて、きれいを保つ」の側面も大きかったこんまりメソッドという看板をいとも簡単に手放し、他でもない「“こんまり”として生きる」ことを選んだのです。
この、驚くほどの潔さ、大胆ともいえる決断力には、私も本当に驚きました。
ここには「ゼロからでも、新しいことを生み出すことができる」という彼女自身の確信が見えてくるように思えました。
そう。「意識をゼロリセットし、祓う」ことで、クリアになり、またそこから新しい人生を創造することを選んだのです。
そして、過去の成功体験に囚われずにその時の本音に素直に従って、今まさに最優先したいことに全力を注げるという姿は、古神道の中今に通じるものを感じます。
こんまりさんこそ、中今を生きている人、と言っても過言ではないかもしれません。
古神道では、良いことも悪いことも全てを祓った先に、宇宙空間にも通じる「ゼロ」の空間が広がっているとされています。そこは、自らが現実を創り出せる無限の可能性に満ち満ちた空間です。
「こうありたい」という意識を明確にしながらも、またその意識を祓って新しい自分を受け入れる。「意識を祓う」ことの繰り返しの中で、立ち現れるものこそが「無限の可能性に満ちた新しい自分、本当の自分の姿」なのかもしれません。
これからの「風の時代」は、本当に望むこと、心の想いに正直かつ素直に、魂が望む方向へ意識を向けて生きていく時代です。
〇〇しなければならない
〇〇のはずだ
〇〇は間違い
〇〇は正解で、〇〇は不正解
〇〇は善で、〇〇は悪
など、知らず知らずのうちに凝り固まってしまった価値観や思考の囚われや意識をから自由になり、春の陽気と共にゆっくりと溶かしていきましょう。
自分自身の心と向き合って、自分の在り方を見出してゆき、また一度決めたからと固執せず、その意識を潔く祓っていきたいもの。
いつでもゼロの状態から新しい自分を創造できる軽やかさを持ち続けることで、
自ずと住空間も軽やかで清らかで、清々しい空気に満ち満ちた空間になっていきます。
私たちの心と体を宿し、暮らしの容れものである住空間と「心=意識」の在りようは、
一番遠いようで、実は一番近い関係にあるのです。
――――
いかがでしたでしょうか。
こんまりさんの「片付けを諦めた」宣言
は、多くの人に衝撃を与えました。
しかしそれは同時に、
これまでの自分が大切にしてきたことや
古い価値観を手放して、今この瞬間から
でも新しい自分、新しい方向性にシフト
できる
という希望のメッセージを、私たちにも
たらしてくれたように思います。
この姿はきっと「風の時代」を象徴する
あり方なのでしょう。
自分にとって本当に大切にしたいことは、
過去に囚われず、いつも「中今」で決め
ていけるようになると、どんどん感覚が
研ぎ澄まされていって、一歩ずつ本質に
近づいていけるはず。
風通しよく、軽やかに。
いつも心に風が吹いているような
イメージで、時代の波に乗って
自分の思い描く人生を楽しく、
ダイナミックに創造していきましょう!
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