1:清子先生から子どもたちへ
○お正月の意味と十二支についてのお話し
お正月は、新年を祝い、おせち料理をみんなで食べて、
年神様から一年の力を授かろうとする行事です。
おせち料理を作るため、年神様は十二の動物を選び、
それぞれ順番に係を決めました。これが十二支です。
・絵本「十二支のお節料理」の朗読
○想念・鎮魂※・お正月の迎え方
想念は、心の中の「思い」のようなもの。
いろんな事を考えて、いつもザワザワしているのが
「想念」です。
大祓の中の一つのフレーズに
「いわねこたちかやのかきのはをもことやめしめて」とあります。
この意味は、岩とか樹とか根っこ、草とか葉っぱなど
普段は騒がしい状態のものが、
ぴたりと「ことやめしめる」ということ。
「ことやめしめる」というのは、鎮(しず)めることです。
耳が痛くなり、キーンとなるくらい静かになること。
鎮魂が大成功したら、
耳がキーンって痛くなるくらいすごく静かになりますよ。
今までいろんな音が聞こえていたんだなって、
感じ取れるくらいになります。
ぴたりと思いを止めるというのは、
毎日の生活の中では難しいことですが、
一年に一回だけ、シーンと静かになる時があります。
それが、お正月の三日間。
日本中の人たちの想念が、ピタっと止まる唯一の時です。
お正月の朝には
「年神様がきてくれて本当に静かになった」
ということを十分に感じ取ってほしいと思います。
※鎮魂:神道では魂は5つあるとされ、
その5つの魂を中腑(丹田)に一つにおさめることで魂を鎮める方法。
2:久子先生のお話
○土地と人のお話し
私たちは『ふとまにの里』にいます。
そこに人がいると、その土地が喜ぶんです。
ここにいる人が大事。
ここの空間がエネルギーに満ち満ちていると、
人の心は、大きくなったり小さくなったり
自由になります。
○「器の教え」
私たちは41年間、
白川のお祭りをさせていただいていますが、
それを行う上で一番大切なのが「器の教え」です。
拍手をするときに、
二つの手が一つになることにも意味があります。
自分の手と手を合わせて
ちょっとずらして打つことで、
自分のことを、
拍手だけで清めることができます。
○お正月飾りについて
*お餅・串柿
白川では天地同大(てんちどうだい)と言って、
同じ大きさのお餅を飾ります。
柿串は、大きな柿を10個飾ります。
ふうふ、なかがむっつ=夫婦仲睦まじくという意味ですね。
子どもたちで串柿飾りを実践! 10人並んでもらいました。
*ゆずりは・だいだい
お餅の上に、ゆずり葉、だいだいを飾ります。
だいだいとゆずり葉で「だいだいゆずる(代々譲る)」
という意味があります。
*裏白(うらじろ)
「心も白く清く」という意味があります。
*勝栗(かちぐり)
武家の時代では、「勝つ」という意味があり、
現在に伝承されています。
*かやの実
五十音図を表します。
これを知っているのと知らないのでは
あなたの人生が変わります。
ぜひ、鎮まった31日を迎えて、
静かな心でお正月を迎えましょう。
お餅を飾って、お正月の神様を迎えると、
新しい一年が素晴らしい年になると思います。
3:斎藤宮司のお話
○神様、ご先祖様、私たちのつながり
以前みんなで作った「お供え物」を
神様にお捧げします。
そこでお祭りをした後、
神様と一緒にご飯を食べましょう。
神様と一緒にご飯を食べる、ということは、
神様とつながっているご先祖さまと
一緒に食べることでもあります。
ご飯を作ってくれるお父さんお母さん、
そして一緒に召し上がるご兄弟は、
一番身近なご先祖様です。
ご先祖様は、亡くなられた方だけではなくて、
生きている方々もご先祖様なのです。
神様をお迎えして、ご先祖様、ご家族一緒に、
感謝の気持ちでご飯をいただきましょう。
4:鎮魂/祓詞(大祓なしバージョン)
今年最後の鎮魂と祓詞※は、
いつも以上の静けさの中で。
※祓い:良いことも悪ことも祓い清めることで、
心を「ゼロ(空)」の状態にすること。
その状態になるための特別な言葉を祓詞(はらいことば)という。
斉藤宮司が三方を献饌し、神聖な空気感の中でのお祓い。
「耳がキーンというぐらい静かに鎮魂してみよう」という
清子先生のお話もあって、
頭の中、心の中まで静かに鎮魂できていたようです。
5:お餅つき
安全に餅つきができるようにと、
斉藤宮司が臼と杵の火打ちをしてからスタート。
スタッフや親御さんたちに協力してもらい、
お餅つきが始まりました。
子どもたちは、
もち米からお餅になる過程に終始、興味津々!
臼の近くに行きたがる子も多くヒヤヒヤしましたが、
親子で協力しながら、お餅をついていきます。
お餅つきの仕上げは、子どもたちに。
掛け声とともに、元気よくお餅をついてもらいました。
丸めたお餅をみんなで味付け。
お餅の質感に「気持ちいい!」という声も。
つきたてのお餅は人肌のようだったのかな?
子どもの感性は素敵ですね。
お待ちかねの試食タイムでは、
子どもたちの笑顔がさらに輝きます。
つきたてのお餅は格別!
何個でも食べられちゃう!
6:お正月飾りを作ろう
お正月飾りのワークショップでは、
今年も松田先生をお迎えして
「白川の輪飾り」の基本の形を作りました。
○輪飾りについて
輪飾り、輪じめとも呼ばれ、
年神様を迎えるための「しめ縄」の一つ。
しめ縄と輪飾りというのは、
水や火を扱う場所に飾り、
水や火の神様を迎えるためにあります。
お正月飾りは、
12月13日を過ぎてから飾るのが良いと言われています。
避けた方が良いのは29日と30日。
29日は「二重苦(にじゅうく)」を避けるという意味から。
30日は、31日だけの「1日飾り」になってしまうので、
それより前に飾るように、という謂れがあります。
清められたところに、前もって飾って、
気持ちよく年神様をお迎えしましょう。
○輪飾りを作ってみよう!
・藁をなう
お祝い事、お正月飾りなどは
福を呼び込むための「ない方」があります。
手を内側にしていく「左ない」でなうのが、
お正月飾りの基本です。
・紙垂(しで)作り。
・輪飾りの飾り付け
うらじろ(裏白)と南天をつけ、
十字にした麻ヒモで、みかんが落ちないように結びます。
南天は「災いが転じる」という意味があります。
みかんは繁栄の象徴。
先祖代々、繁栄していくように、
という意味があります。
今回、ゆずり葉は使用していませんが、
ゆずり葉には、世代交代、引き継ぐ、代々続く
という意味があります。
お正月飾り作りは、大人の方が夢中になって
取り組んでいらっしゃいました。
出来上がったお正月飾りに、
「ふとまにの里」で拾ったり摘み取ったりした、
落ち葉や植物でアレンジしているお子さんも。
自然のからの贈り物である
植物の色や形に、子ども達の想像力が膨らみます。
完成!!鏡餅と一緒に飾りましょう!
お正月飾りも終了し、
今年最後のCAAのワークショップを
無事に終えることができました。
童心に返って楽しまれていた親御さんの姿や
今までで一番静かな鎮魂タイムやお祓いの様子に、
子どもたちの成長を感じることができたことは
私たちの一番の喜びです。
また、餅つきに使った餅米、輪飾りに使った稲わらは
『ふとまにの里』で収穫したものを使用しました。
実りを形にする喜びも、
同時に感じ取っていただけたのではないかと思います。
2022年1月からも、
また新たにCAAのイベントを開催していきます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
ありがとうございました!
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いかがでしたか?
様々な体験を通して学んだ「お正月」は、
子ども達はもちろん、
ご参加いただいた大人の方々の
心と体にしっかりと根付いてくれたことでしょう。
『ふとまにの里』の豊かな自然の中で
日本の伝統文化を体験し、
鎮魂や祓詞など、白川のおみちの
エッセンスに触れることは
自然とのつながりや、
言葉(日本語)とのつながり、
ご家族とのつながり、
自分たちの命の元を辿った先にある、
ご先祖さまや、神々様とのつながりなど、
私たちの命は
たくさんの「つながり」の中に在る
ということを、思い起こさせてくれます。
この「つながり」を掴んだ子どもたちは、
「揺るぎない安心感」を得ることでしょう。
その安心感は、
「他者への思いやり」の気持ちを育むと同時に、
「日本の伝統文化を大切にする」という
「日本人としての土台」となっていきます。
この土台が出来上がっていくと、
その土台に「意志=言霊」という
柱を立てることができるようになります。
その柱は、
多少ブレがあっても戻ってくることができる、
心と体の中心軸となっていきます。
また、その柱を中心に、
心の自由度が広がり、
豊かな感性と創造力が養われてきます。
「意志」の柱は、
自分たちの未来を、自分たちの意志で
自由に切り拓いていくことができる人
として成長するために、
とても大切なものなのです。
チャイルドアーツアカデミーでは
子供たちの心の安定や情緒を育み、
子ども自身の「意志」をまっすぐ伸ばしていくための
イベントやプログラムを
年間を通してご用意しています。
イベント開催時には
その情報をいち早くお伝えし、
今回ご紹介したようなイベントレポートも
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