essence

人生100年時代に健康寿命を伸ばすべき理由と方法

作成者: essence編集部|May 26, 2022 5:06:12 AM

「ピンピンころり」は大きな勘違い!?

不摂生をしている患者さんに注意をするとき、よく言われるセリフがあります。

 

「自分は、ピンピンころりで逝くのが目標ですから」

 

これを聞くと、私は「甘い!」と返します。

 

不摂生をしながら、急にピンピンころりと都合よく死ねるなんて、なんと甘いことか!

 

脳梗塞や心筋梗塞、癌、認知症などの病気を発症しても、医療技術が発達して、人はなかなか死ぬことができなくなりました。

 

むしろ、寝たきりの期間が長くなる可能性を考えるべきです。

 

人生100年時代と言われて久しいですが、日本の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳であるのに対して、寝たきりにならずに健康的に生きられる期間である健康寿命と平均寿命とは、それぞれ約9年、約12年の差があることをご存知でしょうか?
(eヘルスネット平均寿命と健康寿命 2022.1.11より)

 

寿命が伸びても、人生を謳歌できずに過ごす時間が長くなっては、むしろ辛いですよね。

 

私自身、在宅医療で元気に寿命を全うできない方をたくさんみてきましたので、これは切実に思うことです。

 

健康寿命を伸ばすためにポイントとなるのが、「ミトコンドリア」と「長寿遺伝子」です。

 

エネルギーの源であるミトコンドリアを活性化し、老化を遅らせて寿命を延ばす長寿遺伝子を発動させることが重要です。

細胞のエネルギー工場=“ミトコンドリア”

ミトコンドリアは、私たちの全ての細胞の中にあるエネルギー工場です。

 

エネルギーが正常に作られなければ、生命活動ができず、細胞は死んでしまいます。

 

つまりミトコンドリアは私たちの体にとって、とても重要なはたらきをしているのです。

 

ミトコンドリアは、1つの細胞に数十から数千も含まれています。

 

グルコース(糖)を原料として、エネルギーである「アデノシン三リン酸(ATP)」を合成しています。

 

しかし合成される一方で、なんと1日に50~100kgものATPが体内で作られて、エネルギーとして消費されているのです。

 

また、ミトコンドリアの機能が低下すると、ATPが上手く作られないばかりか、排気ガスのように体を酸化させる原因となる、活性酸素が発生します。

 

すると、その細胞は上手く機能しなくなり、心身の機能が低下して、さまざまな不調を感じるようになります。

 

身近なところでいうと、「怠い」「しんどい」などの不定愁訴が起こりやすくなり、活動が低下してしまいます。

 

逆に、普段あまり体を動かさずに活動量が少なくエネルギーがあまりいらない生活をしていると、ミトコンドリアもサボり出し、ミトコンドリア機能が低下します。

 

それはつまり、病気の状態です。

ミトコンドリアを活性化させる、シンプルな生活とは?

ミトコンドリアを増やし活性化させる方法は、シンプルです。

 

ミトコンドリアは、「エネルギーが足りない!」と感じると、増えるのです。

 

つまり、定期的に適度な運動をしてエネルギーを消費したり、暴飲暴食を避けて腹は八分目にすること。

 

これは、昔ながらのとても基本的な健康法ですね。

 

運動は不足し過ぎてもダメですし、過剰な運動も禁物です。

 

過剰な運動は、過剰な活性酸素の発生を促して細胞を痛めつけてしまい、修復力が追いつかなくなる可能性があります。

 

適度な運動で体に軽く負荷がかかることで、ミトコンドリアが強くなり、活性酸素を消去する抗酸化力も強くなります。

長寿遺伝子 “サーチュイン”も、老化を抑制するはたらきが!

もう1つ、健康寿命に重要と考えられているのが、長寿遺伝子・サーチュイン遺伝子です。

 

サーチュイン遺伝子は、もともと酵母や線虫の老化を抑制する遺伝子として発見されたものですが、今では、私たち人間にも同じ遺伝子があることが分かっています。

 

誰しも持っているものの、その発現量には個人差があり、サーチュイン遺伝子が活性化していないと、老化スピードが速いとされています。

 

サーチュイン遺伝子は、炎症や活性酸素の発生などに関わっています。そしてサーチュイン遺伝子が正常に働いていれば、炎症や活性酸素が抑制されます。

 

記憶力や糖代謝にも関わっていますので、認知症や糖尿病などの生活習慣病の予防にも重要です。

 

さらに、サーチュイン遺伝子には、細胞の寿命を決める「テロメア」というタンパク質を保護する役割もあります

 

テロメアが短くなると、老化が促進されると考えられていて、女性の寿命が男性より長い傾向があるのは、テロメアが短くなりにくいからだとされています。

 

サーチュイン遺伝子は、テロメアが短くなるのを抑制する働きがあると考えられています。

長寿遺伝子を活性化させる方法

ミトコンドリアと同じくサーチュイン遺伝子を活性化させるのも、適度な運動と軽めの食事です。

 

カロリーは腹八分目といわず、腹7分目、普段の70%にしながら、特定の食品に偏らずに栄養バランスが良い食事が理想的とされています。

 

そしてやはり、激しい運動ではなく、適度な有酸素運動が効果的です。

 

健康に良いとされる基本的なことが大切なのですね。

 

さらに、サーチュイン遺伝子を活性化させることで話題になったのが、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種・レスベラトロールです。

 

赤ワインで換算すると効果的な量は100本分とされていますが、こんなにたくさんアルコールを飲むと不健康どころか死んでしまいます。

 

というわけで、サプリメントが一時ブームになったのは、皆さんご存知の通りでしょう。

ミトコンドリアや長寿遺伝子に話題の「NMN」とは!?

さて、ミトコンドリアや長寿遺伝子の活性化に不可欠であるとして最もホットな成分が、今話題の「NMN」です。正式名称は「ニコチンアミドモノヌクレオチド」。

 

人やあらゆる生物の体内に存在する成分ですが、年齢と共に減少することで、老化現象を引き起こすことが知られています。

 

今、最も話題のエイジングケア成分「NMN」について、次回は詳しくお伝えしましょう。


――――


いかがでしたでしょうか。

 

今回の記事をご覧になって、

 

最近話題になっている、

 

・ミトコンドリア
・サーチュイン遺伝子
・テロメア

 

に、それぞれどのような特性があり、
どうしたらそれぞれのはたらきをうまく
引き出すことができるのか?

 

ということが見えてきたのではないでし
ょうか。

 

またその上で大事になるのが日々の食と
運動で、これらはいずれも、

 

「バランスが鍵を握る」

 

ということも、よくわかりました。

 

つまり、何もしないのも良くないし、
逆にやりすぎるのも過剰に傾いて、体に
負荷がかかるため良くない、ということ。

 

健康寿命は人によって異なるもので、
さらにそれは日々の生活態度で
変わってくる、ということを
考えると、

 

正しい情報を知って適切な方法を
選ぶことがいかに大事であるか、
ということが身にしみて
わかってきます。

 

そして記事後半にあったように、
次回は、今話題のエイジングケア成分
「NMN」について教えてくださるそう
ですので、ぜひ楽しみにして
いただけたらと思います!

 

***

無料の会員サイト「maforama」へのご登録は下記をクリック。
https://datumhouse.jp/signup


さらに深い情報に出会えるかもしれません。