肌を美しく保ちたいと、熱心にケアしている女性は多いと思います。
その一方で、赤ちゃんの頃から乳児湿疹やアトピー性皮膚炎などのトラブルが起こりやすいのも皮膚です。
普段あまり意識することはないかも知れませんが、皮膚は、肉眼で見える最大の臓器です。身体の内側の状態と同時に、外側の環境に応じて反応します。
さらに、成人のアトピー性皮膚炎の最大の悪化要因はストレスというように、心の状態も反映されるのが皮膚です。
心と身体、そして環境の鏡である皮膚を知って、美しく健康に保つ秘訣を知りましょう。
私たちは、皮膚によって、私の内側の世界と私を取り巻く外側の環境を隔てています。
皮膚は、自分と外界との境界線です。
そうして、私たちは皮膚を通して、外側の世界と出会います。
皮膚は、私たちの身体の表面をすっぽりと覆い尽くすことで、外界から病原性のウイルスや細菌、刺激物や毒が侵入しないように守ってくれています。
皮膚のバリアが正常であれば、これらは体内に侵入することはできません。
表面の表皮は何層にも重なる角層とその下の表皮細胞から成り、新陳代謝を繰り返して常にリニューアルし続けています。
角層は、細胞間脂質と水が重なり合う構造をとっており、脂質と水分のバランスを保ちながらバリア機能としての役割を果たしています。
表皮の下の真皮層は、ハリを保つコラーゲンなどに支えられていると同時に、神経が張り巡らされ、免疫細胞が構えています。
バリアを突破して侵入してきた外敵を排除するために、外界との境界線である皮膚には免疫細胞が集まっているのです。
乾燥するということは、角層の脂質と水分を保つ構造が壊れていることを意味します。またそれによって、外的な刺激を受けやすく、真皮の免疫細胞や神経細胞を刺激します。
乾燥を放置すると、皮膚が炎症を起こして痒みが出るのは、免疫細胞が刺激を察知して防御のために反応するのと、神経が刺激されやすくなるためです。
表皮ブドウ球菌などの常在細菌は、汗と皮脂をミルキングして天然の乳液を作り、皮膚の表面に潤いを保ち、バリア機能を維持します。
皮膚フローラと皮膚が形成するバリアによって、私たちは外的な刺激から守られています。ですから、アルコール消毒で皮膚フローラをその都度破壊することは、皮膚のバリア機能にとって危険なことだと分かりますね。
本来、アルコール消毒は、医療現場や食品加工現場などの特殊な環境で行うものです。ですから、今のように一般生活者がアルコール消毒をする状況は、冷静に見ると、かなり不自然なことだと言えるでしょう。
この地球上のあらゆる生物は微生物を祖先としていますから、人は微生物と調和して、共に暮らす方が自然なことなのです。
アルコール消毒をされる際には、一種類の病原性ウイルスだけでなく、私たちを守ってくれている皮膚に暮らす多様な共生菌をも一網打尽にしているデメリットもあるということを、どうか忘れないでください。
アルコール消毒をしても24時間ほど経てば、毛穴に潜んでいた常在細菌が盛り返してくることは分かっていますが、今ほど頻繁に消毒しているとその暇がありません。
皮膚フローラが作る天然の乳液が上手に分泌されないと、皮膚は乾燥しやすくなります。同時に、皮膚が乾燥すると皮膚フローラのバランスが崩れて、正常な皮膚常在菌が暮らしにくくなります。
皮膚は、弱酸性が健康と言われていますが、これは酢酸などの有機酸を分泌する表皮ブドウ球菌などの皮膚フローラのおかげなのです。
皮膚が乾燥すると、普段はいないはずの雑菌が暮らすようになり、皮膚はアルカリ性になります。
皮膚フローラのバランスを保てば皮膚は潤いますし、逆に皮膚の潤いが保たれれば、皮膚フローラのバランスも保たれます。
流水でしっかり洗えば、付着している病原性のウイルスや菌は落ちます。
できればむやみにアルコール消毒を使うことを控え、乾燥している場合はまず保湿クリームなどを塗って、皮膚の潤いを保つようにしましょう。
繰り返しになりますが、皮膚の潤いを保つことでバリア機能が正常に働き、外界から病原性のウイルスや細菌、刺激物や毒が侵入を防ぐことができます。
ぜひ日々の生活の中で、「皮膚の潤いを保つこと」を意識されてみてください。
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いかがでしたでしょうか。
私たちの体を覆い尽くしている皮膚は、
実は自分の体と外界を隔てる重要な
境界線であり、病原性のウイルスや
細菌、さらにその他の刺激物などから
身体を守ってくれる役割があるの
ですね!
また、そのためには皮膚のバリア機能が
しっかり働くように、
「肌の潤いを保つこと」
が大事なポイントだということも、
よくわかりました。
とくに昨今身近になっているアルコール
消毒は、皮膚本来の持つバリア機能を
破損しかねないということなので、
これは、ぜひ心に留めておきたいもの。
桐村先生もおっしゃるように、
「天然の乳液」が生成される自然な
状態をつくるためにも、消毒の
しすぎには注意していきましょう。
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