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呼吸を制するものは姿勢をも制する!?

作成者: essence編集部|May 11, 2022 11:45:17 AM

こんにちは、金子香織です。

 

「呼吸」は、私たちの生命活動においてエネルギーを作り出す上で大切な活動の一つです。

 

呼吸の役割は、体内へ酸素を取り込み二酸化炭素を排出するという「ガス交換」がメインになりますが、実はそれだけではないことをご存じでしょうか。

 

本日は、呼吸と姿勢の関係性について、お届けしてまいりたいと思います。

 

どうぞ最後までお付き合いください。

あなたは、深い呼吸ができていますか?

日々、無意識のうちに行なっている「呼吸」。

 

その役割を筋や骨格の観点から見ていくと、そこには呼吸を司る筋肉が働き、関節が可動する仕組みがあるということが見えてきます。

 

実のところ、呼吸の役割のメインとなる「ガス交換」は、呼吸運動に関わる筋肉や関節運動が行われて、はじめて成り立つもの。

 

ところが人によっては、その呼吸運動が不適切な状態で行なわれている場合もあるため、ガス交換がうまく行われないこともあります。

 

呼吸運動が適切に行われていない例として代表的なものに、「深い呼吸が出来ない」ということがあります。

※ここでは深い呼吸の定義を、最大に吸って吐ける状態とします。

 

実際に私も日々の現場でお客様の口から度々聞く言葉ですので、ひょっとしたら、あなた自身にも当てはまることがあるかもしれません。

 

そこで「深く呼吸が出来ない」の理由を探る前に、今回はまず「呼吸運動」の仕組みからお伝えさせていただきたいと思います。

 

呼吸は、大きく分けて

 

・吸ったり吐いたりする際に働く筋肉(主に横隔膜)の収縮や弛緩

・吸ったり吐いたりする際に働く関節(胸郭)の運動

 

という、主に二つの動作によって行われます。

 

本来、このようなシンプルな仕組みから成り立つ呼吸運動ですが、先ほど例に挙げた「深い呼吸が出来ない」ことの原因の一つとして、呼吸運動の仕組みに何らかの問題が生じている可能性があることが考えられるのです。

呼吸と姿勢のあいだにある、相関関係 

これらを踏まえて、私がお客様と日々接する中で感じること。

 

それは「深い呼吸が苦手」とおっしゃる方は、「姿勢が崩れている方」に多く見受けられる傾向がある、ということです。

 

猫背の方は、本来であれば姿勢を正す際にスムーズに動くはずの関節が固く、そのため、姿勢を保つ筋肉の使い方にエラーが起きている現象が多く見受けられるのです。

※ここでは崩れた姿勢を猫背と定義しておきます。

 

私はそのようなお客様と出会った場合、姿勢が呼吸運動に及ぼしている影響について(その逆も然り)観察しながらセッションを進めていきます。

 

なぜなら、それらの相関関係は体のしくみからも説明することができるからです。

 

美しい姿勢を取り戻すには、幾つかの要素の“最適化”が必要なのですが、その中から呼吸運動に関わるものをご紹介すると

 

・胸郭の柔軟性(可動性)を引き出すこと
→呼吸運動には胸郭の運動が伴う

・コア(体幹)を安定させる筋肉の一つである横隔膜の働きを最適化すること
→呼吸運動は横隔膜の収縮・弛緩により行われる

 

などがあります。

 

つまりここで分かるのは、姿勢と呼吸は体の機能において、双方互いに繋がっているということなのですね。

呼吸を制するものは姿勢をも制する!?

今回は、呼吸運動のメインの筋肉、横隔膜にフォーカスしてその使い方をお伝えしたいと思います。

ご覧のように、横隔膜は肋骨下部にバルーン状に付着している筋肉の部分にあたります。

 

呼吸を行う際に、このバルーンがお腹の方へ下降したり、元の位置へと上昇することによって、肺を拡げたり縮めたりしています。

 

横隔膜運動の基本は、

 

1  息を吸った際:下がる(収縮する)
→ お腹が膨らむ

2  息を吐いた際:上がる(弛緩する)
→ お腹が薄くなる

 

です。

 

これから横隔膜の適切な使い方の練習方法をご紹介しますが、横隔膜の機能性は、お腹の動きを見ることである程度確認することができますので、ぜひ一つの指標にしてみてください。

 

では早速、実践に入っていきましょう。

 


【横隔膜呼吸(腹式呼吸)の機能性を引き出す練習】

 

基本練習①

◆体勢:仰向けor座位
◆準備:片手を下腹部(おへその下)に置く

 

呼吸を行う際は鼻から

 

1 息を6秒数えてゆっくりと吸いましょう。
チェックポイント:息を吸いながら徐々に下腹部が膨らむのを確認しながら行う

2 息を12秒数えてゆっくりと吐きましょう。
チェックポイント:息を吐きながら下腹部が徐々に凹んでいくのを確認しながら行う

吸って吐くを繰り返しながら、横隔膜をしっかり動かすように意識しながら実践してみましょう。

※秒数は目安です。吸うより吐く方を2倍程度時間を掛けてゆっくり行いましょう。

 

ここでのポイントは、横隔膜が動いているかのチェックを行うこと

 

その際、お腹の動き(膨らんだり、凹んだり)を確認してみてくださいね。

 


息が吸いにくい方への修正法

既にお腹が膨らみ過ぎていて息を吸い込めない、と感じる方は吸う前に

 

・息を吐きながらお腹を一度薄くした状態

 

から始めてみてください。

 

その後は、息を吸いながらお腹が膨らむ↔吐きながらお腹が薄くなるの確認をしながら繰り返し練習をされていくとよいでしょう。

 

【注意点】

※産後間もない方・尿失禁がある方は、お腹を膨らませ過ぎないようできる範囲で行ってください。(尿失禁・膣脱の予防のため)
※肩が力みやすい方は、肩をリラックスして行いましょう。
※横隔膜の動きが逆パターン(吸いながらお腹が凹み、吐きながらお腹が膨らむ)にならないよう丁寧に行いましょう。

 

こちらの練習をされていくと、横隔膜の収縮↔弛緩という機能性が取り戻され、コアの安定にも働きかけることができます。

 

結果、美しい姿勢を取り戻す土台づくりにもなります。

 

また、古神道の教えで行っている「鎮魂」の際には丹田で印を組みますが、そこに意識が向きやすくなるので鎮魂しやすくなるのでは、と思います。

 

ぜひ今からでも試されてみてくださいね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。



ーーーー

 

いかがでしたでしょうか。

 

いざ深い呼吸をしようと思うと、
「吸って・吐く」ばかりに意識が向く
方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、金子さんもおっしゃるように、
「吸って・吐く」動作だけでなく、

 

呼吸をするときに横隔膜の動きを
意識してみることで、
徐々に呼吸が深まっていくことを
実感できるでしょう。

 

さらに、

 

呼吸がうまくできるように
なってくると、姿勢も自然と
整っていきやすくなるため、

 

まさに
一石二鳥の効果が期待できそうです!

 

「心と体を整える」をセットで
行っていくことができる今回の
エクササイズ。

 

体が喜ぶことは、心が喜ぶこと
心が喜ぶことは、体が喜ぶこと

 

を実感できるはずです。

 

ぜひ今日から、
「吸って・吐く」の基本動作に
横隔膜を意識するというアプローチを
プラスして、楽しみながら呼吸を
マスターしていきましょう。

 

呼吸をしっかりマスターすれば、
姿勢が整うばかりでなく、
人生をも制することに繋がるかも
しれません。



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